11月7日
6時起床。
6時半からジュリアンと共に本日マーケットが開催されるトゥルミへと向かう事に。
宿を出ると、少年2名がやってくる。
彼らにトゥルミ行きの車を見つけられる場所を聞くと彼らも本日トゥルミへと向かう用事があるようで村のメイン通りを教えてくれた。そこではすでに数人のおじさんたちが車を待っていた。
待つこと1時間。
のどかで素敵な時間に若干飽きてきた頃、一台の工事用トラックがやってくる。
少年達が話を聞きにいったところ、トゥルミの手前15kmの場所までしか行かないらしい。しかも50B・・・ので今回は見送る。
その後2台ほど来たが、トゥルミ行きではない。
日ざしが強くなってきたので、場所を変える事に。
少年らが広い庭のレストラン?を教えてくれ、そこで紅茶を飲みながら待つことに。彼らも行くと言っていたが雰囲気的に、僕らが車に乗る事で彼らにマージンが入るのだろう。
僕らが彼らに伝えた限界金額(50B)以内で交渉し、安くなった差額が彼らの収入になるのだろう。
しばしレストランでのんびりしていると、太鼓と鈴を鳴らし、泣きじゃくりながら歩いている3人の親子がレストラン前の道を歩いてきた。
「彼女達はどうしたの?」と聞くと「マラリアで15歳の娘が亡くなったらしい・・・」とのこと。
それを聞きジュリアンと3人で表情が固まる・・・エチオピアでもやはりマラリアは発生するようで、年に何人かは亡くなっているらしい。
本当に気をつけないといけないな・・・。
その後もレストランで座っているとバイクの運転手などが声をかけてくる。しかし1台150Bなので却下。
紅茶を飲んだ後、ジュリアンがタイで買ってきたバトミントンの羽のでっかい版で遊ぶ事に。
これは蹴鞠のように足でけりあって楽しむのだが、僕とジュリアンは足でおこなう事が出来るが、エチオピア人の子供たちらには難しいようで、彼らは手で行う。
それを1時間。
僕らは途中で疲れ、途中で抜けるが、彼らはその後も必死で遊び30分後、羽が壊れて終了・・・・
コーヒーを注文し、30分ほどしてようやくコーヒーが出来上がった頃に車がやってくる。
飲む時間がなかったので「晩ご飯に食べに来るから!!」と約束して去る。
結局3時間待ったが、ずっとしゃべったり遊んだりしていたし、少年らが車を捜してくれたので苦痛を感じることなく楽しく待つことが出来た。
今回の4DWの車の運転手は道路工事の作業に行くところだったようだ。交渉結果一人50Bで乗ることに(僕らの提示額の上限額になった)。僕ら以外に2人の男の子と女の子1名が乗る。
トゥルミまで1時間程度。
トゥルミに11時に到着したがマーケットが盛り上がるのは昼からのようで(すでに民族の人ばかりになっており素敵な雰囲気だが)、それまで再びコーヒー休憩。
家の軒下でコーヒーを飲みながら地元の人と話すと、トゥルミ→ディメカはトラックの荷台で現地人で15B程度、外国人は安くても30Bぐらいとのこと。
4WDは一台一日1500Bほどするようなので、やはり高くつくようである。
今回はおそらく少年らが交渉し、彼らの値段を僕らが負担したぐらいになったのかもしれない。車を捜してくれたので、対価としたら適正なのかもしれない。
コーヒーの後、散歩に行く。
このトゥルミの村には僕らが泊まっているディメカと異なりまずまずの施設のホテルが数件あるようで車チャーターでやってきている欧米人がウジャウジャいる。
エチオピアでこれだけの外国人を見るのは初めてかもしれない。
ぼちぼち散歩した後、再びマーケットへ。
ここではハマル族がいっぱい。皮の衣装、おっぱい丸出し、髪に赤土を塗りこんだ彼らの見た目は、たしかに独特の民族。
観光としてはたしかに見がいがあるのだろう。
市場のお土産やコーナーにも可愛らしい小物が数点。
土産屋の親父が「入場料100Bだ」と、言ってくる。「それじゃあ出て行くよ」というと、「冗談だよ」
その後、写真を撮ると「写真代100Bだ」、イラッとしながら「じゃあ消すよ・・・」というと「冗談だよ」と機嫌をとってくる。
冗談だと言いながらも「100B」だと言われて実際に支払う欧米人旅行者がここでは多いのだろう。
彼に、「僕らはその手の冗談は好きじゃないし、全く面白くもないので、今後しないように。」という旨と、「写真代などがあるなら写真をとる前に言ってくれ」という旨をつたえる。
その後も牛の皮を干しているところ。など見学。1Bで写真とってといってきた親子など数枚の写真を撮る。
ここでもジュリアンはおじいちゃんの写真をとり、約束どおり1B払おうとすると「もっとよこせ!!」と絡まれていた。
仲裁に入ったが、結局はめんどくさくなったジュリアンが写真を消し1B支払うということで落ち着いた。
ジュリアンが絡まれやすいのか、ここに来る欧米人が言われたとおりにどんどんお金を払っているかどちらかなのだろう。
道端でハマル族のおばちゃんが頭に赤土を塗り込んでいた。
ジュリアンが「僕の頭のはげているところにも塗ってくれ」とお願いして縫ってもらう。
これが後に悲劇を招くとも知らずに・・・
その後ジュリアンもやや疲れていたので、いったんレストランで休憩することに。
インジェラに飽きているアサのために今回はパスタのある店。
ここはホテルの敷地の中にあるため、外界とは別世界。お金持ちそうな観光客ばかりいっぱいいる。
パスタは40Bと高いが、味はとても良かった。実際問題僕らはそこまでお金を切り詰めていないので時々こういうレストランに来るのは良いのだが、ジュリアンは安い店で食事したいようでアサがパスタを食べている間に、外でインジェラを食べてきていた。
その後、地元の子供らとサッカーのテーブルゲームを30分ほどして遊び、ブルジャンピングというハマル族の結婚式儀式があるというのでそれが開催される場所へ行ってみることに。
そこまで3kmほどだが、バイク便で150Bするとのことなので3人で歩いていく。
途中、例の如く少年らがウジャウジャとやってくる。
その中の1人がアサに対して「アジア人は醜い」と言ったことがアサの逆鱗に触れる。
元来、アサは調子乗りの子供が苦手な事も相まって、「私はあなたが嫌いだからはよ帰って!!」と子供に言い放つアサ。
その後、ジュリアンが少年に向かって「僕の友達に悪口を言うならもう君とは友達じゃないよ」と、嗜めると、少年は反省し「一緒に行ってもいい?」とアサの機嫌をとりに行く。
しかし、アサは「嫌や!!あなたの事は好きじゃないからもう帰って!!」と、とどめの一言。
子供と子供のガチンコの喧嘩である。
たしかに少年も若干問題はあり、いたずらで叩いてきたりする。
そういう場合、僕は始め口頭で注意し、それでも収まらない場合は、柔道わざで、コロンと転がし(もちろんゆっくりと)力関係を明確にしておくのだが(大人は子供よりも強いという立場を明確にしておくことが時に必要なので)普段やんちゃな彼は自分がやられてしまった経験が今まで無かったためか、石を手にとって応戦しようとする。
こういうときは、「笑顔でそれ駄目じゃないか!!」と言いながら抱きしめ、敵意は無い事を伝える。
そうすると大概の場合おさまる(というか今のところは収まっている)
「力関係を明確にする事」と、「敵でないことを伝える事」がやんちゃな子供との関係性作りの中では大切なのかもしれない。
その後再び歩き始めると、やって来たバイクを追いかけて子供らは全力で走っていく。犬のようだ。
さらに歩くとハマル族のおじいちゃんに追いつく。
身振りで会話したところ、ブルジャンピングに行くようなので一緒に歩く。
途中で猟銃をもった若者ハマル族とも一緒になり青年ハマル族と手を握りながら歩く。
彼らの1人は、ズボンをはいているアサが男か女かわからなかったようで、アサの胸をちょんと触り女性である事を確認していた。
歩き始めて1時間で河に到着。この対岸で、ダンスなどをしていたのだが、その周りカメラを構えた欧米人が100名以上・・・・
こんなに多くの観光客をみるのはこの旅の間でも珍しい事だ。
どうやら今回の儀式は、観光客用の見世物であるらしい。
もちろん見ごたえのある内容だとは思うが、僕らはもう少し、質素な内容のものを好むので、結局見ないことに。
入場料は外国人300B、エチオピア人は無料。
値段を聞いた際も係員が300Bだと言い、僕らが入場しないことを伝え、ジュリアンが「今度訪れた時には訪問するよ」というと。君らみたいな金を持っていない人間は好きじゃないから二度とくるな!!」と言われる。
酷い言いようである。
様々な国の儀式は好きなのだが、見世物になりかけている(完全なSHOWならそれはそれで良いが)姿の行事を見るのは何となく苦手である(もちろん僕ら旅行者のせいでそうなるのだが・・・)
新郎が牛の瀬を渡るメインのイベントも川の向こうであるとのことだが、天気も悪くなってきたので歩いて帰ることに。
歩き始めてすぐ一台の車がやってくる。
チラチラ見ていると「トゥルミまで乗るか?金は要らんよ」と止まってくれる。
ありがたく乗っていくと、彼は中国系の道路会社の職員でもしかしたら僕らを中国人だと思ったのかもしれない。
トゥルミの町でいったんカフェ休憩をすると、先日カイアファールの町でガイドと一緒にいた日本人の彼がいた。どうやら、昨日は夕方までヒッチをして見つからず結局300B払いバイクの後ろに乗ってやってきたらしい。
ヒッチをしても選択肢が無いために余計にお金がかかることもあるから大変だ。
彼は本日トゥルミに宿泊するといっていたのでここでわかれる。
だいぶ疲れていたので少し心配な気はする。
しかし、自分達も今日は大変・・・ここからディメカ行きの車を見つけねば・・・
とりあえず大通りをひたすら車が来ることを願いながら歩き始める。
歩き始めて10分・・・太陽の光がジリジリと背に熱い・・・
時折空耳で車の音が聞え皆振り返ったりする。願望とは恐ろしいものだ・・・
歩き始めて15分、1kmすぎたあたりで一台の車がやってくる。
すかさず駆け寄り、交渉を始めると・・・「うん、いいよ、お金も要らないよ」とあっさり承諾してくれる。
なんていう幸運!!
僕とジュリアンは荷台に、アサは車内に入りディメカへ向かう。
エチオピアにも良い人はいっぱいいる。本日の件でアサのエチオピア人株も若干盛り返したかもしれない。
荷台から眺めるエチオピアの大自然の雄大さは、とても感動的。
ジュリアンと2人でワイワイ喜ぶ。
これだから旅はやめられないなと思う瞬間である。
ブルジャンピングなどのイベントも素晴らしいと思うが、僕はこういう何気ない日常の一コマにこそ、旅行の味わいというものが隠されている気がする。
マーケットでの仕事が終わったハマル族の人達が10km以上はなれた家へ歩いて帰っている。
彼らは僕らと目が合うと、始めは怪訝な表情だが、こちらが笑顔で手を振ると何百m先までも手を振ってくれる。さすがアフリカ人の視力。
宿に戻ると、ジュリアンが「俺の部屋からウンコの臭いがする!!」と騒いでいる。
見に行ってみると確かに臭い。
・・・・しかし、臭いの元を捜してみるとウンコの臭いがする場所は部屋ではなくジュリアンの頭。
どうやら昼間に塗りたくった赤土が原因のよう。
理由がわかるとジュリアンは「カッカッカ!!」と大笑い。
ジュリアンの笑いは水戸黄門さんの笑い方そっくりで、笑わせがいがある。
その後シャワーを浴びようと、昨日訪れたシャワー屋へ行き、値段を確認すると昨日は2Bだったのに、今日は職員がチャットを食べながらいたためか、「10Bだ!!それ以上はびた一文まけん!!」と思い切りぼってくる、埒が明かないので宿で仲良くなったこと一緒に再び訪れると「5B以下にはまけへん!!」と多少の譲歩はあったものの、昨日の倍以上の値段。
一緒に行った彼が「違う心当たりがあるのでそこへ行こう!!」といってくれ、違う場所で二人で5Bでシャワーを浴びる。
その後、宿に戻りアサは20時から就寝。
僕とジュリアン、そしてジンカから乗せてくれたドライバー、彼の友達の4人でのんびりとビールを飲む。
その間も現地の人々が次々と訪れるので飽きることが無い。
ガイド希望のおじさんがやって来て、「明日ハマル族の村へ訪問しないか?」と言ってくる。
値段は入場料、ガイド料、その他コーヒーなどもろもろ込みで1人90B。
値段的には問題ないが、アサが疲れているようなので明日8時に返事をすることに。
22時過ぎて、そろそろ部屋に戻ろうと思ったところで、若干酔っ払った若者が「先ほどのガイドは悪い奴だぜクックッ・・・」とやって来る、「理由を話してやろうか?」というので、聞いて見ると「ハマル族を駄目にしているんだ」とのこと。詳しい理由を尋ねるが全く要領を得ない返事ばかりする彼、面倒くさくなったので「君はここに何を言いに来たの?君の言いたい要点は何?」と聞くと、
「今のツーリズムは間違っている、ハマル族の写真を1枚撮ったら1000B(5000円)払わなければならないように規制するべきだ!!」などと方向性の見えない話をし始める。「そうしたら観光客は来なくなるんじゃない?」というと、「金を持っていない観光客は来なくて良い、観光客は金だけ払えばいいんだ」などと、言い始める。
「君はなぜ、ここに観光しに来たんだ?」とジュリアンに聞く。
ジュリアンが「違う文化を見たくて」と答えると「違う文化を知ってどうするんだ?そんなものに意味は無いだろ?」という彼の言い方に腹が立ち、「じゃあ君はなんで、今僕らの席に来たの?僕らの意見、考え方、文化を尋ねにきたんじゃないの?僕らが旅行している意味は今君がしている事と一緒だよ。良いものがあれば学びたいし・・・・」と言っても「だけど、旅行者はハマル族を搾取している!!」などと、話は一向にかみ合わない・・・
・・・ので再び「だから、結局さっきの彼の何が悪いの?言いたいなら聞くし、言いたくないなら寝るけど?」というと、「寝たいのなら寝てもいいよ。」というので、生産性の無い会話を打ち切りジュリアンと共に今晩は部屋に戻る事に。
ジュリアンと共に「彼はなんだったのだろうね・・・」という話をして別れる。
皆それぞれ意見が違うのは良いので、それをぶつけ合う事自体は意味があるし、そうすることは嫌いではないが、一向に出口の見えてこない議論をしているほど暇でもない。
22時半に就寝。
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