2011年11月22日火曜日

自然に溶け込んだレゲエ→ガイドを信じること、疑う事→マリファナに関するあれこれ→ラスタコックの素敵なガーデン食堂→ゾンビのような葉っぱ吸いたち→シャシャマネとは?


10月30日
7時半起床。

朝ごはんを食べ、9時に昨日ガイドをしてくれたエチオピア人(ブルック)と待ち合わせをしていたナイアビンギ教会へ出向く。

すでにブルックは教会の前で待っており、「ミサはまだ始まっていないみたいで、どうやら昼過ぎからみたいだ・・・」というので、それならば先に雰囲気が良いというフランス人居住区(というものがジャマイカビレッジ近くにあるようだ)のフランス人経営ホテルに散歩も兼ねていってみる事に。

この辺りには、バナナの木(草?)、偽バナナ、マンゴー、小麦などが豊富。緑がにぎやかだ。

大通りから離れており静かなのもよい。村人もみな笑顔。

子供たちが「お金お金!!」といってこないのはブルックがいるお陰なのだろうが。
たまに「マリファナいるか?」と声をかけてくる住人が来るが「僕らは吸わないんだ」というと、しつこく迫ってくることもなく「そうかそうか」と笑顔で去っていく。これもブルックのお陰かな。ガイド兼、用心棒がいるため気分良く歩ける。

あとで、いくら請求してくるのか気になるところだが、法外には請求されないように約束した入場料等計200B(1000円)以外には100Bしか持ってきていないので、大丈夫だろう。

フランス人経営のホテル前でさっそく「昨日約束したけど1人100Bで教会、その他全部案内するけど今払える?」といわれる。

このタイミングで教会にではなく彼にというのが怪しかったが、今のところ、悪い人間ではなさそうな印象なので彼を信じてみようと前払いをする。

ホテルの敷地に入ると中は高クオリティ、家は伝統的なこの地方の作りをしているのだが、きちんと作っているのと、飾りなどのアクセントが上品だからか別物に見えてしまう。
ここは、ダブルで400B(2000円)と、やや高いが雰囲気は良い。
犬も可愛いし、フランス人オーナー、子供たちも英語が上手で気さく。
のんびりゆったりの雰囲気、ここに宿泊して一日ダラダラ過ごすのも良いだろう。

レストランのコーヒーはいまいち・・・ミックスジュースは美味しかった。

ひたすらのんびりとした時間が流れている。

コーヒーを飲みながら犬を見て、その後ハンモックで揺られていたらあっと言う間に日が暮れてしまいそうである。
ここに泊まったらスローな生活を送る事ができるのだろう。
ベルギー人の音楽プロデューサー(日本公演もした名前は聞いたことある外国人バンドをプロデュースしているらしい)もやってきており、のんびりしていた。

この辺りはマリファナが盛んなので、それが目当てなのかもしれないが(やはり音楽業界は好きなのか?との疑惑も浮んでしまう)良い感じの夫婦だった。

その後、エチオピア女性と結婚して10ヶ月前よりここで暮らし始めたという日本人の家に訪ねていったがあいにく留守だった。(ブルックの話では、現在奥さんの家の土地で農業をしているらしい。)

そして、つぎはボボシャンティ教会に向かって歩いていく。

歩いてる途中に民家からレゲエが聞えてくる。

のんびりした空気の中、そして緑に囲まれた中でレゲエ。僕は、今まで特にこれという理由はないのだが、レゲエ大好きな人とかはなんとなく苦手な気がする・・・と感じていた(完全な偏見である)のだが、ここは思っていた雰囲気とは違う、ナチュラルなレゲエもあるみたいだ。

ナチュラルなレゲエとはファッションとしてのレゲエでなく生活に根付いたレゲエという印象のものだ。
デッキから流れ出し、畑に吸い込まれていくレゲエの音楽。

自然に溶け込んだのんびりレゲエは素敵だな。

次の目的地のボボシャンティ教会は、木々の間の小道を15分ほど歩いていった奥にある。
ブルックは、昔この辺りに半年ほど住んでいた日本人と、マリファナをすいながらフルーツを食べ、歌をうたって、踊って、という生活をしていたらしい。

人に迷惑をかけない範囲(マリファナを吸った後、悪酔いしたみたいになるひとも多いので・・・)で楽しくしている人たちからは不快な印象をほとんど受ける事はない。

ボボシャンティ教会は、本日、司祭さんが出張中のようで外観だけ見る、最後に気持ち程度のお布施といわれ、外を見ただけだから5B払おうとすると、「そんな額ならいらないと拒否される」ので、まだ、希望額には足らないだろうが「気持ち分は払いたいから・・・」と10B渡す。

そして再びナイアビンギに向かう途中、昨日他の日本人観光客にガイドする約束をしていたラスタマンが「約束時間を過ぎてだいぶ待ったんだけど、彼を知らないか?」と言ってきた。
どうやら約束をやぶって来なかったようだ。

来ないなら、ちゃんと断るべきなんだけど曖昧な約束をする人もいるようだ。
ボボシャンティ教会に11時半ごろもどったが、まだ始まる様子もないので、いったん帰ってから16時にもう一度待ち合わせする事に。

カフェであまり美味しくないフルーツジュースを飲み宿に帰ってしばし休憩。

宿に帰り、2人で「たぶん今日も音楽ミサは無さそうだね・・・」という会話をする。
教会に戻っても彼がいない可能性もあるし、彼がいてもミサがない可能性は非常に高いけどその場合どうするべきかを検討する。

検討結果
・彼がいなかったら、まぁ騙されたと思い諦める(一応教会や村を案内してくれたしラスタの歴史も説明してくれたので)
・ミサが無かった場合は彼が、案内した後要求してきていたチップと、払った200Bで相殺することに。
・2日のガイド代なので、200Bは高いけど許容範囲内。見れなかったときにチップを要求されたら拒否する事に。(これが一番面倒だな・・・)


そして、再びナイアビンギに行くと、彼は友人たち5人とマリファナをすいながらのんびりしていた。
あいかわらずミサはやっておらず、しばし彼と雑談をしながら待つ。

どうやらミサはなさそうなので、ガイド代分様々な情報を聞こうと思い、普段聞けない質問をする。


・マリファナって1kgいくらで売ってるの?

→エチオピア人には500B(2500円)。ヨーロピアン、日本人などには200ユーロ(20000円)ぐらい。


・どこで育ててるの?

→ここから歩いて10kmぐらいの茂みの中に、トウモロコシ畑があって、その中央に隠れるように100M×100のマリファナ畑がある。


・どれぐらい収穫できるの?

→年に2回収穫できて、計20Kgぐらい収穫できる。


・どこに出荷してるの?

→僕はアディスアベバだけど、もっと大きな畑の人はフランスやイギリスに輸出している。


・どうやって輸出してるの?

→お互いの国の郵便局員を買収していているから安全に送ることができる。
だそうだ。

いろいろな世界がありいろいろな仕事をしている人がいる。それが世界である。
彼は僕らが「マリファナを吸わない」というと、「ここにはマリファナ茶もあるんだよ」と言ってきた。
要らないけど、どんなものか気になったので、聞いて見ると「蜂蜜の味に似ているけど自然のものだから甘くはない」とのこと、甘くない蜂蜜とはなかなか想像しにくい。

そんな中も彼はせっせとマリファナをほぐして紙に撒いて吸えるように準備していた。
教会の中で今後の教会増築の会議しているらしいのだが、中からもマリファナの匂いが物凄いしてくる。
日本の酒を飲みながら会議するようなものなのだろうか?彼らは口を揃えて「タバコは吸わない」と言っている。

まだまだミサは始まる様子ないので、外をもう一度案内してもらう事に。すぐに、変わった雰囲気の男性がろれつの回らない様子で話かけてきたが、ブルックは「彼は昔ミュージシャンだったけどコカインをやって頭がおかしくなってしまった・・・ケミカルは駄目だ!!」と言い、相手をしないようにと通り過ぎた。
再び緑の中をあるくと、彼が「あっ!!コックだ!!今から彼の食堂へ行くかい?」という。
気になるので行ってみると、何の看板もない民家。

ラスタ帽子を被った60歳ぐらいの渋いコックも「今は魚一匹しかないがそれでも良いんじゃったら・・・」と迎え入れてくれる。

敷地内の芝生の上には椅子が3つのみで机すらない・・・まったくレストランという感じはないが、この変な雰囲気もいい感じだ。
芝生では丸々と太ったニワトリ一匹が死んでいた。(自然死か?)
ラスタシェフの作ってくれたのはジャマイカ料理。豆入りライスの上にピリ辛の揚げ魚が乗っている。これがけっこういける。

予想以上の味でラスタシェフに賛辞の言葉を述べると、気を良くしたラスタシェフは「うむ、そうか、そうか・・・そうだ!!」と3日後にこの近くで大きなレゲエイベントがあることを、レゲエ調で歌うように教えてくれた。なんて活かしたおじいちゃんなのだろうか。

ラスタマンのなかでも歳をとったじいちゃんたちは渋さとチャーミングさを併せ持ち素敵である。
この敷地からは、20年ほど前にボブマーリーが訪れた際に名前をつけた大木が見える(名前忘れたけど)ラスタシェフに写真を撮ってよいかときくと、自分の服装をまじまじと見た後、「今日は俺の服が活かしてないからやめてくれ」と断られる。

ラスタマンは歳をとってもビジュアル重視なのだろうか。

そして、次は3日後にライブ会場がある場所へ行く。

ここは撮影禁止なのだが、ブルックの親が関係者のようで「写真もいいよ」といわれる。
中にはボブマーリーが設計したというボブマーリーハウスがある。ここには3年前にもボブマーリーの親族が泊まりに来たようだ。

会場内ではせっせと明日の予行に向けた準備をしている。
しかし・・・ここで異変が・・・ブルックがマリファナで完全に極まってしまったようで、目がトロンとして「マリファナ茶、一杯200Bで飲まないか?」と言ってくる。「要らないし、今、そんなお金持っていない」というと、「昨日今日のガイド代はどうなるんだ?」とトロンと言ってくる。

「音楽ミサに参加していないのに計200B払ってるけどそっちこそどうなっているんだ?」と聞き返すと「それはすでに教会に払ってしまった!!」というので、「それならもう一度教会に戻ろう、もし内部に入れたら考える」というと、しぶしぶ教会へと歩き始める。

教会に向かう途中でサッカーゲームに興じていた30歳ぐらいの男が、「どうした?何か問題か?」と、言ってくるので「特に問題はないが今からナイアビンギに行くところ」というと、彼もついてくる。彼が付いてくるとブルックが急に「商店で買うものがあるから先に行っておいてくれ」と言ってくる。

タイミング的に何か匂うが、とりあえずいったんブルックとのガイド代交渉が打ち切られるのはいいことなので彼とナイアビンギ教会へ行くと、先ほどブルックとマリファナを吸っていたメンバーがトロンとした表情で「もう一度入るなら今は夜の時間帯だからもう100B!!」と言ってくる。

いちいち交渉する事も面倒なので、「さっき払ったから無料なら入るけど、お金払ってまではもういいや!!」と断ると、先ほどから同行している男性が「彼らはさっきブルックに100B払ったって言っているし良いじゃないか・・・」と交渉してくれる。

しばし、彼らどうしの論議になったので、「別に彼らが不満なら僕らは入らなくていいから良いよ」と言うが、結局彼がトロリン男達を言い負かしたので中に入る。

中では彼が「マリファナが生えてるけど写真とりたいか?」と聞いてきたが別に要らないので遠慮する。
まぁ普通にマリファナが生えていた。教会に普通に生えているのは不思議なものだ。

その後、午前中にあったラスタマン1名もマリファナでトロリンとなり、「お金~!!」となってやって来た。

なんだか、「ホラーゲームのゾンビみたいに次々変身して現れるな・・・」と苦笑い・・・
今度も先ほどと同じやりとり「じゃあ出るからいいよ・・・」という僕らと、交渉する男性。
今回は僕らが、「彼らがこれ以上に”金金・・・”となるのも面倒だし、僕らはこれで十分だからいいよ」と言い、ここを出ることに。

男性が「コーヒーを飲んでいかないか?」というので、「いいけど僕らはもうお金ないよ、いくらなの?」と聞くと、「一人10Bもあれば飲める」というので、やや高いな・・・と思いながらも一応いろいろ助けてくれたので、若干疑いながらもコーヒーを飲みにいく。

コーヒーの店が大通り沿いだったのでやや安心する。
店では彼が、「今日の晩レゲエを聞きながら飲まないか?」「ウォルトガンナッツという温泉地があるけど今度一緒に行かないか?」と、言ってきたので今日はほとんどお金を持ってきていないので行けないと断ると、「チャットを食べた事あるか?」
と、聞いてきたので「それは幻覚作用があるという草だよね?マリファナと何が違うの?」と聞くと、「僕らもよくわからないんだ、古代から伝わるものだけど、違いはチャットは合法の食べ物ですべてのエチオピア人が食べている」と言いながら差し出してきたので、食べてみたが、特に変化なし。(日が暮れかかっていたのでリスクを考え、必要以上に食べなかったからかもしれないが)

日が沈む手前に「もう遅いから帰るよ」というと「旅人は必要以上に心配しすぎる、夜も僕がちゃんと送るから一緒に飲みに行こう」と引き止めてくる。

「とりあえず会計いくら?」と聞くと、「もしよかったらチャット代も払ってくれるか?」といってくるので「合計で25B(125円)」とのこと。

まぁこの時間から金銭でもめるのも面倒だし、すっきり終わらせるために了承し25B払い「もう残り8Bしかない!!(本当は108Bだけど、お金を無いと思わせるために)」と言うと、引止め工作はあっという間に終了。

ので、歩いて帰る。

帰った後2人で、本日の反省会。

反省結果は・・・
まぁ・・・ある程度予想通りだったし、今日の使ったお金225B(1125円は)で2日間の観光(教会×2、穴場レストラン×2、素敵ホテル×1、田舎道散歩、様々な情報)と用心棒代(最後若干面倒になりかけたが・・・)と考えたら安いものだ。

結局のところで値段以上に楽しかったし。

そして、結論。
ラスタ村は、ある程度ローカルの人と一緒じゃないと楽しめない。しかし、そのためには最低限お金はかかるし、若干のリスクもある。
ので、良い場所ではあったけど、変にお勧めしてトラブルに巻き込まれてしまうと問題なので、「渡航の是非を検討してください」という評価か。

僕らはマリファナをしないけど、もしそこでマリファナを買うようなことがあれば法外な値段を言われる可能性はある。ので旅する人はしっかり自分自身で考え、責任をもって、「危険だな・・」と少しでも感じたら、興味はあってもあきらめるなど、セーフトラベルの精神と人を見る目。

今回ミサがなかったのに騙された僕らが言うのもあれなんだけどね。

でも、僕らが騙されたのはラスタマンではなく「歩き方」
他の人のブログを読んでもミサなど見れなかったという情報ばかりだったのでもともと不信に思っていたのだが、みな歩き方に「毎週土曜日にナイアビンギ教会にて音楽を演奏しながら行われるミサがある」と書いてあるから行ってしまったらしい。

歩き方さん、早急に訂正してください。
個人的にはミサのことを忘れて、自然派の村という印象で眺めたらこの村はとても素敵な場所だと感じる。
ただ、旅するには現地人の情報がいるのと、入りすぎると安全面のリスクもあるのがネックか。
宿に帰り、コーヒーとパンを食べ、日記を書く。いろいろあった日の日記は長くなるから嫌いである。

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