2011年10月24日月曜日

田舎暮らしはできるのか→「Money!!」と言いはなつ子供らについて考える→エチオピアの先生→「You!!」が癖になる


10月18日

7時起床。


この北部旅行に出て以来すっかり朝型の生活になってきている。


本日は休養日なので、パソコンにてドクターコトーの漫画を2人で読む。

孤島で働く医師を題材にした漫画なのだが、読みながら、はたして自分は完全なる田舎で一生暮らしていけるのだろうか?と考えたが、わからない。

アサは以前から「好きだけど一生住むのは絶対無理!!」といっているので不可能なのだろう。


さて洗濯をまとめて終わらせた後、昼前から1人で散歩に出かける事に。


今日のお目当ては5km先にある教会。

とくにどうしても見たいわけではなかったのだが、ハウゼンの町から徒歩圏内の観光名所はそこぐらいしかなかったので。


ホテルを出て歩き始めるとさっそくちびっこたちが付いてくる。

そして「you you you you money you money!!」の大合唱。

もう慣れてきたので特になんとも思わなくなってきて彼らと一緒に「you you money!!」と言っていると彼らもケラケラ笑い出す。


お金がもらえたらラッキーという気持ちももちろんあるだろうが、基本的には暇だから相手をして欲しい。だけど難しい言葉はわからないので、「You Money(時にFuckも)」という言葉が飛び出すのだろう。


英語が若干話せる子供は「どこに行くの?」「教会?付いていってあげようか?10Bちょうだい!!(これはやはり出てくる)」などはなしかけてくる。

うっとうしいと思ってしまえばそれまでの事だが、それでは彼らの本質は見えてこないので”彼らの行動(言動)は間違っているのか?”というスタンスで眺めてみると、必ずしも彼らが間違っているわけではないのではないか?と思えてくる。


というのも、彼らの生活実態から行くと、もちろん現金はあればあるに越したことは無い。

ならばたまたま来た外国人に紳士的な対応をして高感度をあげるよりも、万に一つの可能性をかけて「money!!」といったほうが実に理にかなっているのである。


イギリスやフランスの人から見たら「品が無い、学が無い」と思われるかもしれないが、気品などというものは、一定の生活が行うことが出来た上でさらに余裕がある人がファッションとして身につける立ち居振る舞いであり、生活に余裕がない人が格好をつけてまで行えるものではない。

彼らにとっても家族にとっても必要なものは金であり、ちょうど良い具合に鴨が金を背負って歩いているのである。

はしたなくてもなんでも、彼らは精一杯生きているのである。それぐらいガツガツしないと生き残れない厳しい社会を彼らは子供の段階から過ごしているのである。


戦後、日本人の子供達が「Give me money!!」と言っていた時代もあったと思うが、その子供達が今でも「金くれ!!金くれ!!」と叫びまわっているのかといえばそんなことはなく、その世代が日本の復興の原動力としておおいに頑張り働いたはずである。(いまおじいちゃんと呼ばれている世代かな?)

と、すれば現実に必要なもの(アフリカ少年の場合は金ということになる)を知り、実際に行動(Money!!と叫び)している彼らは、もしかしたら将来的にアフリカの発展の原動力になりうるのかもしれない。


もちろん、「Money!!」などと声をかけてこず、逆にこちらから挨拶しても恥ずかしがってうつむいてしまう子供達がいけないというわけではない。


単純に良し悪しがあるので彼らの一つ一つの行動にばかりとらわれず、全体的に物事を捉える事が大切なのかもしれない。

必要なものを勝ち取ろうと努力している点を認めつつも、相手にも感情があることを理解させられたら言う事は無いのだがまだ難しいのだろう。


でも、アフリカの少年が、青年となっていくにかけて「Money!!」などと言わなくなっている様子を見ると、アフリカでも社会生活をする上で必要な分の教育はされているということであろう(たとえそれが”生意気を言ったら年上に殴られる!!”であろうとも)


まとまらなくなってきたが、言いたいことは、「いちいち子供の言動一つとってイライラする事は自分にも相手にも不利益になるだけである」ということである。(現在アサはどっぷりその状態に陥っているので・・・)



さて、そんな子供らとも別れ小麦やテフ(エチオピアの主食インジェラの原料)畑に囲まれた道を歩き始めると、畑で収穫を行う女性達と、牛・ロバ・ヤギの放牧を手伝う子供達(成人男性が働いている様子をあまり見ないのはなぜだろう???)がたくさんいる。


日本できれいなオフィスで働く仕事もあれば、大自然の中、一枚の絵に入り込んだように働く彼らの姿もある。世の中にはいろいろな仕事があり、いろいろな人生がある。

何が良くて何が悪いなんて結局誰にもわからないことなのだから、いちいち他と比較することなく精一杯自分の人生を楽しむ事が出来るようになることが一番大事なのだろう(同時にとても難しい事でもあるけど)


この大自然の中を歩きながら、「農業でも狩猟でも牧畜でも自然の助けが無ければ成功し得ないんだな」と感じる。だから古来より自分達の力では及ばない自然の力(それを神の力とみなしたのだろう)に対して祈ったのかもしれない。


自然を支配しようと努力し、一定の成果をあげた今、自然(神)にたいして祈らなくなってきたのは理解できる事である。

ただ、いまでも自然の力には全くかなわないのが現実。もっと自然を大切にしなければいけないことに気がつかなければいけないのかもしれない。


ぼんやり歩きながら5km先の教会に到着したのだが・・・・廃墟である・・・

教会は崩れ落ち、復旧作業も投げ出されているようだ・・・。

もしかしたらこれがエチオピアにおいても教会のおかれている現状なのかもしれないな。(ただ単に予算の問題かもしれないが)


さらに先へ歩こうかとも考えたのだが、次に見える小さな建物でもおそらく2km以上先なのでハウゼンに帰ることに。


帰り道、その2km先の建物(どうやら学校だったようだ)で働いている先生3名が話しかけてきたので(1人が英語の先生だった)一緒にハウゼンまで帰る。


まずはじめに気になっていた”毎日、学校まで歩いて通っているのか?”という点について確認すると、「もちろんだよ!!僕らが行かない事には彼らに教育する人がいないんだから!!」とのこと。

しかし、2000mほどの高地の中を毎日片道7km、往復14km歩いて教えに行くとは・・・・エチオピアの人がマラソン強い事は当たり前なのかもしれない。

トレーニングではなく、日常生活において僕らが考えられないような歩きをしているのだから。(きっと彼らにとってフルマラソンなんてとても簡単なことなんだろうな)


「毎食インジェラを食べるの?それともパンやパスタも食べるの?」と聞くと「インジェラは僕らにとってとても美味しいと感じるものなんだ、君達の国のお米と同じだよ」とのこと。

最近のエチオピアは経済成長しているけど、未だ貧しいこと。それでも平和である事。

来週には北部で祭りがあること(さすがに一週間後は無理だな・・・)

などなど、教えてくれた。


ハウゼンに入り、裏道を歩いていく間、いつもは「you you you you you fuck you !!money you!!」とやってくるちびっ子集団が、僕を気になるような目で見つめながらも何も言ってこない(笑)


先生達に「いつもは”money!!”って言ってくるのに今回はみんな大人しい」というと大笑いしながら「ごめんごめん、彼らは外国人=大金持ちだと思っているんだよ、たとえ君のように観光地までエチオピア人のように徒歩で歩いていってたりしててもね(笑)」とのこと。


そして彼らと別れると待ってましたかのように「you you you money you!!」の大合唱が。

やはり彼らはこうでなくっちゃ!!と若干癖になってしまっている自分がいる。


ホテルに戻り、休憩をし、晩は村唯一の貧相なレストランでパスタとエッグフィルフィルを食べる。

こちらのローカルレストランではパスタをこれでもかというぐらい茹ですぎる傾向があるのは何故であろうか???


久々にTVでアメリカ映画を見たが、こちらの言葉と比べると非常に良くわかり、言葉って大切だな・・・・今回エチオピアでアムハラ語を学ぼうとしなかったのは失敗だったな・・・と感じる。(といっても北部ではティグライ語でまったく別なのだが)


22時就寝。

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