10月17日
朝5時半起床
眠い体を奮い立たせ、出発。
本日はアブナ・イエマタへ。
昨夜、何人かの住人にバスの時間を確認したのだが「6~8時ぐらいだと思う・・・」と全員あいまいな答えであったのでバス停に6時過ぎに来てみたのだが、バスの気配なし・・・・反対方面行きのドライバーがいたので聞いて見ると、「今日は12時ぐらいまでないんじゃないのか?」他の人に聞くと「8時ぐらいまでは無いのじゃないのか?」など、どうにも要領を得ないながら今すぐは来ないことが判明。
ので、近くの喫茶店で朝ごはん。コーヒーは出来ないといわれたので、エッグフィルフィルと紅茶を2つ注文。計20ブル。
味もまずまず。
食べながらTVを見ていたのだが、番組はムキムキおっさんズによるエアロビクス。
昨日までの宿のTVでもやっていたのでエチオピアで大流行しているのかもしれない。
食べ終わった後もまだ時間がありそうであったので、近所を散歩する。
相変わらず子供らには「メニ!!メニ!!」と金をせびられる。ひどい奴になると小石を投げてくる(一応当たらないように配慮はしているみたいだが・・・)
一度きっちりしめておくべきか・・・・
8時になりバス停に戻ったがミニバスが来る気配なし・・・
昨夜、声をかけてくれたガイドをしているお兄ちゃんが「今日はバスこなそうだからミニバスの値段交渉をしようか?」と声をかけてくれる。
「1日チャーターすると1400Bぐらいが、片道だけなら250B程度で大丈夫だよ」と言ってくれたが、ローカルバスで10Bぐらいのところを10倍以上払ってまで・・・というせこい考えも拭い去れない・・・・
徒歩で行っても9kmほどの距離を250B(1250円)・・・・・無駄金である。
しかし、「アサから行きも帰りも歩くのは無理だからね!!」という発言も飛び出しているし、時間を無駄にするのも馬鹿らしいので、昨日高級ホテルに泊まれなかった分でチャーターする事に値段は値切っても200Bにしかならず・・・。その理由はこのバス停の別のドライバーが他のドライバーに「俺は500Bで交渉中なんだ」と入れ知恵をするからだ・・・
まぁしかたない時間をお金で買おう。
チャーターしたバスで9km先の町まで行き、メガブの村に到着。
この村では「ガイドは要らないか?250Bだよ」「僕はエージェント外のガイドだから150Bにしておくよ」などと騒がしい。
「いや、自分達で行くから大丈夫、もし必要なら村人にお願いするから大丈夫」と断るとなんとか諦めてくれる・・・
この辺りの町の人々はすでにツーリスト慣れしてしまっているのかもしれない。
その後未舗装路を歩くこと4km、朝の散歩中の少年に場所を尋ねながらようやく、残り1kmほどの細道に到着。
その後、道がやや入り組んできたときに少女と村人おっさんが後ろから着いてくる。
少女はお金をせびりに、村人おっさんはガイド希望。
「着いてきてもお金はあげられないよ」と牽制すると少女はあきらめて帰る。
しかし村人おっさんは着いてきたので一緒に行く事に。(無事目的地に着いたら、彼にはチップを払ってあげる事になるだろうな)
その後さらに歩くといつの間にか寡黙な傭兵風の村人が1人増えている・・・・いやいやいやいや、君は着いてこなくて良いよ。といっても着いてくる。「2人も雇えないから、帰って!!もしそこに行きたいのであれば勝手に先に行って」傭兵風おっさんに告げると諦めて先へと歩いていってくれた。
その後登る事20分で欧米人家族のツアーを発見。すると、村人おっさんが「僕はちゃんとしたガイドがいる場所へはいけないからここでしばらく待ってくれ・・・」といってくる。(どうやらライセンスか何かがいるらしい)
待つのも面倒なので、道の途中だけど彼に20B払い帰ってもらう。
その後、自分たちで歩くとあっという間に欧米人家族グループに追いつく。
ちょうど、ロッククライミングの場所まで到着したようだ。
スイスの50代夫婦(以前エチオピアで働いていたらしい)と4人の子どもたちの家族だったのだが、奥さん、娘、太った息子はこの場でリタイヤ決定したようだ。
現在旦那さんが説明とサポートを受けながら必死で登っている。
その姿を見たアサの顔に不安の色が・・・
彼らが登った後、いよいよ僕らの番。
まずはアサが登る事に。身長が足りず、高所恐怖症のアサはまるで荷物のように引きづられ、押し上げられながら上の方へと無事に運ばれていった。
今回のクライミングは難易度的には初級程度の崖。垂直まで行かず角度も95度ほどか・・・岩自体に掴みやすいポイントが多数あるため気をつけて登れば問題なさそう・・・ネックは計20m程の登りを命綱無しで登るため、落ちたら大怪我、打ち所が悪ければ命に関わるというところだろう。
これは楽しみ!!と登り始めると、先ほど途中で先に行かせたはずの傭兵風おっさんと、ツアーに帯同していたスカウトが僕のサポートもしてくれようとする。
もちろん、ここで怪我をされたくないからという理由が大きいのだろうが、働いてチップを値上げしようという姿も見え隠れする・・・
チップはいいのだが、はっきりいって邪魔である。
自分で勝手に登りたいのに、「僕の手を掴んで」「いや、そこじゃない場所に足をかけて!!」など・・・おせっかいを・・・・。
途中でちゃんと登れると思ってくれたようで放置してくれるようになったが、せっかくの楽しみの半分ほどを邪魔されて残念だった。(もちろん安全上必要なサポートだとはわかるのだが・・・)
登り終えると眼下には素晴らしい絶景が!!さすが断崖絶壁の教会と言われるだけあり、足を踏み外したら100m以上下の谷に真っ逆さまの場所がいくつもある。
さて記念撮影を撮ろうと思ったのだが、壁にへばりつくアサ・・・・まぁ仕方ないか。
一生の最後をこんな断崖絶壁の場所で迎えるとはどのような気分なのだろうか?
その後、神父が来たので、岩窟教会内へ入る。
内部は入り口から差し込む太陽光だけが頼りの薄暗い雰囲気の中にミスマッチなゆるい感じの絵がびっしり。
この雰囲気は個人的に好み(絵が好きなアサにはアニメチックに見えたらしいが・・・)
その後、神父へのお布施20B(相場と聞いていた)を払おうとすると、「いやいや、50Bじゃよ!!」と上積みを要求してくる強欲神父・・・
神聖な場所を見せてもらっている手前仕方なく払う・・・・スイスのおじちゃんは「50Bじゃよ・・・」を無視し20B払いさっさと降りていった。
下りは楽々。(アサはそれでもきつかったようだが)
おりきった後、スカウト2名も予想通りチップを求めてくる。今回はアサがお世話になったので20Bずつ払うと「50B!!」と、言ってくる。彼らには始めに手伝ってくれても払えない旨を説明していたので納得してもらう。スイス人のおじちゃんも同じ額払った後文句を言われていた。
その後、スイスの家族から、「帰りは僕らのバスに乗って言って良いよ」と、言ってもらえたのだが、彼らはまだ別の教会を周っていくようなので申し出を辞退する。
すると傭兵風おっさんが「うちに来ないか?」と誘ってくれる。「もうお金はあげられないよ!!」と言っても「構わないさ。コーヒーセレモニーをしてあげよう。」というので行く事に。
彼の家は貧しいのか、豪華なのか実に評価しがたい。家自体を見れば土壁にわらぶき屋根という質素な作りなのだが、立地はアブナイエマタ岩窟教会のある崖の目の前。いわゆる一等地なのである。
崖を登った後の景色も素晴らしかったがここからの景色も素晴らしい。
もし、この土地が完全に観光地化されたら大手ホテルかなにかに安値で買い叩かれてしまうのだろうな。
4人の子どもがいる彼らにお礼の意味を込めてボールペンとお菓子をあげることに。
奥さん手作りのインジェラ(砂も入っておりジャリジャリしたが味は美味しかった。)とシロ(豆をスパイスと共にどろどろに煮込んだもの)までごちそうになってしまった。始めは邪険に扱ってしまったが、傭兵おっちゃん家族はとても優しい人達であった。
そして、歩いて帰ることに。
まずは4km歩きメガブの村へ。
すると、今朝チャーターバスの交渉でお世話になった男の子がもう「すぐローカルバスが来るはずだからカフェで待ったら?」といってくる。
もうすぐならば・・・とコーラを注文し、彼にもご馳走してあげる事に。そしてしばし彼と会話。(どうやら2週間ほど前に日本人の若いお笑い芸人がロケでここを訪れたらしい。雰囲気的に珍獣ハンターのイモトさんかなと想像)
その後、バスが来てすぐに乗れるように友達のレストランの軒先で待たせてもらい、友達とも会話。皆ガイドのようで英語はペラペラ。
語学上達に必要なのはセンスでも、努力でもなく動機だな。と実感。
英語でも何でも生活に本当に必要であれば頑張るのである。ここではガイドの仕事につくことが出来れば他の仕事の数倍~10倍の給料を手に入れることが出来るのだから。
しばし会話していたがいっこうにバスは来ない、そのうち彼も、友達も仕事や用事で帰っていく。結局1時間ほど待ったが来ないので、歩いて帰り、途中でバスが来たら乗ることに。
歩き始めて10分、女性2名発見。ひとりは農作業の帰りなのか鎌を小脇に抱え、英語の教科書を読みながら歩いている。その姿は二宮金次郎。熱心である。
歩き始めたところから、彼女の家らしき場所まで6kmほどあったが、彼女は毎日この歩く間勉強しているのであろう。
彼女と別れ、しばし歩くと後ろから土砂を運んでいる大型トラックがやって来た。
トラックは僕らを通り過ぎた後、僕らが外国人であると気がついたからか止まってくれた。
そこで、ハウゼンまで行きたいと告げると「ええよ、乗ってきな!!」と乗せてくれた。
運転席と助手席は埋まっていたため、トラックの頭の部分の上が僕らの席となった。
見晴らしもよく、風を感じられ気持ち良い。
ちょうど今からが長い坂道であったので非常に助かる。
ハウゼンの町の入り口で、「これ以上行くとルール上まずい・・・」という場所まで乗せていってくれ、そこから500mほど歩きホテルに帰る。
ホテルで洗濯、休憩。
アサは非常に疲れたようで晩ご飯も要らないと言うので、1人でレストランへ。
本日はパスタにしようと思ったが無いそうなので(村で唯一のレストランのためここにないと食べられない)、エッグフィルフィルを注文。
インジュラは嫌いじゃなかったはずなのだが、毎食となるとちょっと気分が萎えてしまう。
食後、バナナを購入して帰る。
日記を書き寝る。アサは非常に疲れているようだ。
今後アスクムまで北上し、シミエンナショナルパーク、ゴンダールと周ってアディスに帰ろうと思っていたが、思った以上にアサが疲れやすくなっているので、予定を切り上げてアディスにもどったほうが良いかもしれない。
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