今日もユミコさんによる素敵な朝ごはんをいただいたあと、調子がなかなか戻ってこないアサを病院へ連れていく。
予想はしていたのだが、病院ではアフリカが長いためにマラリアを第一に疑われる・・・潜伏期間はだいぶ超えているので、多分違うと思うのだが、違う処置をしてマラリアであって誤診というのが怖いためか何の処置もなく「高熱が出たらまたやってきて」とのこと・・・無駄足であった。
その後、野田さんの家に戻ると、下の階の住人がコントラバスを弾きに来ていた。
隣人が家主がいない時間に自由に楽器を演奏しにくるというシチュエーションなど日本では観ない光景である。
14時までインターネットにて必要な物品の情報収集と、ギア交換の復習を行なって過ごす。
仕事から帰ってきた野田さんと僕とで自転車屋へ行くことに。本日は徒歩で移動、石川先生から購入させていただいたアサ用の自転車を担いでいく。片道40分程度の距離だが、日本では自転車を担いで街を歩いている人がいたらかなり目につくと思うが、街に自転車があふれているドイツでは極めて普通の光景として誰も気にしない。
自転車屋で担いでいったアサ用の自転車の手入れの相談をすると、「この自転車には太いタイヤが入れられない。本当に長距離を走るのであればタイヤが入るように、その他のパーツも変えなければならない・・・」と伝えられる・・・
自転車屋のおすすめの選択肢は荷台やボトルホルダー等細々とした部分全部込みで1400Eの自転車を2台買うこと。
高い・・・
しかし高いけど、僕らの現在の目的は「日本にもう帰りたい・・・」と燃え尽きるまで走り(とりあえず最低限トルコまでは)尚且つ日本に帰ることができるお金が残ればよいので。
ここは最後の大人買い。
日本で同じような自転車を同じ値段で購入することは難しいので、できれば日本まで連れて帰りたいものだ。
盗難のみが怖いけど、その際は高い掛金の海外旅行保険さんにお願いしよう。
即日で乗ることができるという金色が素敵な1600Eの自転車も魅力的だが、2人で走るのであれば同じ種類の自転車の方が工具もすべて同じだから諦めよう。
購入の方向で考え野田さんの家に再び歩いて帰る。いい運動である。
3日連続の中華で食事
・豚と貝のあっさり野菜炒め
・ピーマンと豚の炒め
・牛と野菜の味噌炒め
を美味しく食べたのだが・・・
気になってどうしようもないことが。
それは"1時間後にオペラで演奏しているはずの野田さんが、中華料理屋で普通に食事を食べ僕らにお茶を注いでくれている"こと。
この光景を見ていると、本当に野田さんはこのあと演奏するのだろうか?という疑念が湧いてくる。
一旦家に戻り着替えて、地下鉄でオペラ会場へ。
実は僕たち2人は関係者席の方に招待していただいており、ドイツのフランクフルトでオペラを鑑賞させていただけることになったのである。
会場内には着飾った人々の中に若干ジーパンなどラフな格好の人も、ただもちろん皆襟付きのシャツ。僕もこんな時のために持っている唯一の襟付きシャツで潜入。
いよいよ開始。オーストラリアのオペラハウス依頼の久々のオペラで楽しみだ。
つい先ほどまで僕らと一緒に中華を食べていた野田さんがコントラバスを抱え、仕事用の真剣な顔つきで登場。さすがプロ。
そしてオペラ開始。
演目はモーツァルト作曲の「コジ・ファン・トゥッテ」
事前に野田さんからあらすじをいただいていたので、イタリア語にも関わらず内容は十分に理解できた。
大まかなあらすじは、2人の将校とその彼女2名の盲目的な恋愛に対して哲学者が「オンが浮気しないなんてことはありえない!!」と断言し、将校2名と彼女らが浮気するかどうかを調査し、結果的に女性2人は浮気するが、「すべての女性はこんなものなんだ」とそれを受け入れて結婚するというもの。
”この演目の売りは何といっても音楽”
その売りに偽りはなく音楽が本当に良い。
もちろん歌い手さんもとても良いのだが、音楽を聴いているだけでウキウキしたりと感情が揺れ動かされる。
本日はコントラバスの音を意識して聞いたのだが、重厚なベース音であったり、単音で膨らみがある気持ちの良い音など大きな楽器の中から出てくる音を心地よい、というか気持ち良い音を奏でてくれる楽器なのだと感じた。
特に重厚だが膨らみの音のあとの余韻が良いと素人として思う。
オペラは楽器の音色と歌の調和、そして表情仕草すべてが素晴らしい。やはり素敵な音楽は生で聴くとさらによい。
1幕が終わると、短い休憩のあいだに野田さんが舞台裏に連れて行ってくれた。そこで、先ほどまで舞台上で歌っていた人が自然な表情で飲み物を飲んでいたり、楽器を演奏していた人たちが食事している姿など、本当に舞台裏の貴重な光景を見せていただいた。
僕たちもジュースを飲みながら短い談笑。
指揮者の合図に直ちに反応できるのか?との問いに、合図が来るときには観客に音が届くようにしている。指揮者の意図を理解すると自然とそういう風にできるようになるが、力量によっては音が遅れたり音にばらつきが出たりする人もいるとのこと。
その後、指令室や舞台の上(本当は関係者も厳禁)を覗かせていただいた。
後半も素敵に聞き、終わったあとはほぼ満員の会場内から拍手の嵐。
終わった後、オペラハウスの近くの飲み屋でりんごワインとハーブ&マヨネーズソースにジャガイモが入ったものを食べるもジャガイモがジャンクな味で残念。
ぼくらにはそれでも一応及第点であったが野田さんの舌の評価では”全くダメ”とのことであった。食事の中では若干品質が落ちる。
食後は家までのんびり散歩。
家で野菜とかぶの漬物グレープフルーツソースを作っていただいた。
3時就寝。
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