2011年9月1日木曜日

断食(ラマダーン)実施報告

断食(ラマダーン)実施報告
1 目的
・断食期間を体験し、イスラム
 教の行動様式及び、内的世界
 について理解する。
・食事が出来ない等の不自由さ
 を感じた際の自分の心の変容
 の様子を知り、改善できる部
 分は改善する。
・断食をやり通したという達成
 感を得る。
2 実施期間  
・2011年8月1日~8月29日(29日間)
3 実施場所    
・エジプト(カイロ、アスワン、ルクソール、ダハブ)ヨルダン(アカバ、ペトラ、アンマン、ジェリ
シュ)・イスラエル(エルサレム)
4 実施方法
・断食期間中は午前3時半から、夕日が沈むまで一切の食べ物、飲み物を摂取しない。喫 
 煙も不可。
・夕日が沈んでから、午前3時半までの間は食べ物、飲み物を摂取できる(アルコールは 
 期間中を通じて摂取してはならない)
5 まとめ及び感想
イスラム教の行動様式及び、内的世界について理解する。」という目的は、断食しただけは全く出来なかったが、同じ活動を共有することによって、一種の壁がなくなり、お互いの距離が近づいたため、より親密にイスラムの人達と関わる事が出来た。しかし、それを加味しても大きな成果は無し。

「不自由さを感じた際の自分の心の変容の様子を知リ、改善できる部分は改善する。」という点では、不自由さ(空腹、脱水)を感じた際には怒りの増加、意欲の衰退など、おおむね予想していた通りの反応を示した。想定の範囲内の反応であったため、途中で断食を断念することなく期間を通してやり通す事が出来た。
断食期間後半においては、空腹、脱水を感じても怒りや意欲の低下を表す事が減少したように感じる。
しかし、これはこの期間中に、自分自身の精神力が向上したと考えるより、身体が空腹、脱水状態に慣れてきたと見たほうが正しいだろう。
このことから考えられるのは”「行為」を繰り返す事により「思考」を変化させる事ができる”ということである。
一般的には「思考→行為」という流れで生活を行っているものを(食べたい→食べる)「行為→思考」という逆の流れにはめ込んだのが断食なのではないだろうか?(食べれない→我慢→食べたいという思考、エゴ減退)
これは、座禅やYOGAにも当てはまる事象なのだろう。
たぶん「行動療法」のカテゴリーに属すのだろう。
「達成感を感じる」という点では、断食実施前には、今までの自分の経験上、29日間続ける事は難しいと感じていたことを達成できたので、及第点をつけたいところだが、実際には課題の難度が自分が想定いたよりも低かったということであろう。つまり、インテイクの失敗。だから総合的に考えて60点といったところであろう。
イライラせずに楽しく断食ができて、なおかつイスラム教の考え方などまで理解できたら100点だったのだろうが、断食開始直後や、気温40度を超す真夏の暑さに慣れるまではイライラする事も多々、イスラム教についてもラマダンからは学ぶ事が出来なかったので減点40点・・・
しかし、「棚からぼたもち」的な事実なのですが、どうやらイスラム教の教えの中で、「ラマダンを1日やりきることは1年間祈り続けるだけの功徳がある」というものがあるそうだ。
ということは今回の断食により僕は知らぬうちに29年アッラーに対して祈り続けた分の功徳を得たらしい。
真意の程は定かではないが死後の生活に向けての先行投資だと思っておこう。
アサにも少々迷惑をかけた割りにあまり目に見える成果が無かった今回の企画。次はもう少しわかりやすいことをしよう。

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