6月27日(月)巡礼66日目 20km
本日いよいよ巡礼最終日。朝4時半に起床。寝不足である・・・結局寝付いたのは1時過ぎだった気がする・・・紅茶とシリアルバーで朝食を済ませ朝5時にいよいよコンポステーラに向けて出発です。
出発直後、高級アルベルケから違う団体が出発しているところにバッタリ出くわす・・・いつもなら団体に飲み込まれることに残念な気持ちになるところだが、今日はありがたい。なぜなら日の出前のため外はまだ真っ暗で道が全く見えないのである・・・その中なんと我らがヘッドランプはまさかの電池切れ間際・・・肝心な時に使えない・・・頼りにならない相棒です・・・そのためヘッドランプを持つ団体様は大歓迎。
出だしはたぶん自然の作った木々のトンネルの中を歩いていた気がする。(如何せん見えなかったのだから描写の仕様が無い・・・)とりあえず足元にだけ気をつけながら早足のグループに必死で着いていく。置いていかれたら迷子になること必死なので・・・。歩き続けること2時間で少しずつ夜が白み始めてきた。前方に他の団体も発見。どうやら僕らより先に出発している人はとても多くいたようです。人ごみの中をジワジワ歩く。彼らは昨日と比べ疲れているようで結果としてどんどん抜いていくことに。出発して3時間。アメリカ人ハンナを発見。ここ4日ほど置いてかれていたがようやく追いついたようである。可愛い友達と一緒に歩いていた。昨晩どうやら彼女らは屋外で寝たようである。
歩き始めて3時間でmonte do gozoの丘に到着。「昔の巡礼者はこの丘から初めて見ることのできたコンポステーラの姿に涙を流した」との情報から、僕らも感動してなくことが出来るだろうか、とウキウキワクワク上ってみたものの・・・????・・・見えない・・・見えるのは町のみ・・・「まぁいいか、どうせ泣けなかっただろうし、楽しみは最後まで取っておこう」と再び歩き始める。
のこり5km。
1511kmあったのにいつのまにかこれだけになっている。
最後はラストスパートで足を引きずりながら町の中を歩く。コンポステーラまであと一息。コンポステーラに着くまでの間にこの町にすでに到着していた何人かの顔見知りの巡礼者に再会した。オーストリア人エビリンにも久々に再会した。もう逢えないと思っていただけに嬉しい再会だった。エビリンは昨日到着したところらしい。カナダ人リノにもカテドラル手前で追いつく。みんなが僕らの到着を祝福してくれるのが嬉しい。
そしてついに待ちわびた瞬間!!歩き始めて66日目。1511kmの距離を歩ききり念願のカテドラルが・・・・・見えた!!!・・・見えた?・・・見えた???・・・見えたけど・・・工事中・・・・ぐぬぅ・・・何と言うタイミングの悪さ・・・。まぁ散髪に失敗したところで僕は僕であるのと同じように、工事中でもコンポステーラはコンポステーラに違いない。多少の容姿の悪さには目をつぶろう。
そして午前9時半にカテドラル到着!!カテドラルの正面では韓国人のジュヨンが僕らを出迎えていてくれた。ありがたい。
コンポステーラまで歩ききったことより多くの巡礼仲間の心遣いのほうに感動してしまう。みんなありがとう。
まずは巡礼証明書をもらいに巡礼者用のオフィスへ行く。到着すると・・・すごい人。その中に知ってる顔も多くあり喜びの再会を果たす。そして巡礼証明書を無事もらい、その後アルベルケを探しにいくことに。このサンティアゴの町は歴史を感じる場所。長い日にちをかけてたどり着いたから余計そう感じるところもあるのだろう。アルベルケも丘の上に荘厳とそびえ立っている歴史を感じるアルベルケに決める。チェックイン後、荷物を置き、再び町の中心へ。カフェに行きビ-ルとカフェオレで乾杯。その後12時よりミサに参加する。
このミサの途中に「本日到着した巡礼者全員の名前が読みあげられる」と聞いていたのだが、どうやら現在はなくなってしまったようだ・・・だからいつも通りのミサ。違ったのは日本人グループの寄付により(300ユーロぐらい)行われたお香を入れた入れ物が空中ブランコのように教会内部を煙を吐き出しながら大きく左右に揺れる儀式があったこと。そして最後のせんべい食べる。
その後ジュヨン、ダニー、クリスティーナ、イタリア人3人組とランチする。蛸とポテトをみんなでシェアし、それプラス飲み物で一人8・5ユーロと高い!!物価が跳ね上がっております・・・。まぁ到着祝いなので良し。
その後、まだまだ腹ペコのダニー・クリスティーナと仕切りなおしで僕らの身の丈にあったお値打ちレストランに移動し昼ごはんを再び食べる。
本日の一品目は僕はガリシア地方のチョリソーと大量のハーブが入ったトマトスープ、アサはサラダ。2品目は僕はカツレツ、アサはイカリング炒め。どれも美味い。その後カテドラル見学。そして17時にリノやエビリンその他の友達と待ち合わせてオープンCAFEへ行きビールでお祝いする。ダニエル・ピエール・ミシェル・マークも来た。最後に僕らと別れる時にはピエールが泣いていた。見た目がいかつく、態度も荒々しいピエールにフランス側の巡礼路で初めて合った時は「怖いおじさんだ・・・」と恐れを抱いていたのに、いつの間にかすっかり仲良し。辛抱強く僕らのフランス語を聞いてくれた。奥さんのダニエルも痛み止めを飲むほど、足が悪くても、僕らを見つけると何時も笑顔で迎えてくれた。
2人ともう逢えないと思うと非常に寂しい・・・でも、僕らはピエールのようには泣けない・・・僕らは今までに多くの別れを経験してしまっているため別れに対して鈍感になってしまっているのかもしれない・・・・。でも泣けなくても彼らに対して感じる感謝の気持ちは本当。ありがとう。コンポステーラにたどり着いたことよりも、こんな素敵な人達にたくさん出会えたことのほうが僕らにとって価値のある感動的なことである。
アルベルケに戻り、ワインを飲みながらハンナと英語で語らう。親がユダヤ教である彼女はクリスチャンではない。だけど、この道を歩き多くの素敵な人々と出会えて良かったと言っていた。そして僕らに会えたことも・・・と。僕らも同じ気持ちである。
今までの旅行中は、言葉が話せる話せないに関わらず、アジア人と欧米人という違いだけで仲良くはなるがどうしても最後の一歩の距離が埋まらないことがあった。しかし今回の巡礼で歩いている間は気づいたら「他の国の人」「他の言語」という感覚を忘れ、日本の友達と話し合うのと全く同じように話すことが出来る大事な「友達」がたくさん出来ていた。
巡礼中に出会った年齢、国籍を超えたたくさんの友達に感謝しながら23時に就寝。
hoso
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