2011年7月4日月曜日

フランス→スペイン巡礼徒歩旅行65日目








































6月26日(日)巡礼65日目 21km
5時30分起床、今日は非常に暑くなるというので5時50分出発。まだ空には月も星も輝いている。いつもは肌寒い時間なのにすでに歩くとやや暑い。
歩き始めて3・5kmで大きめの町に到着。ここで朝食を食べる予定だあったが、同じように朝早く出発している巡礼者ですでに満員・・・・しかたなく次の町まで朝食はおあずけにすることに。
気を取り直し歩き始めると、フランス人のおじさん(ドミニク)がスペイン語で話しかけてきたので彼と会話しながら歩く。ドミニクはフランスでスペイン語の先生をしていたそうで、とてもわかりやすいスペイン語を話してくれる。「なぜこの道を歩くことにしたんだ?」と聞いてきたので「この巡礼の内容のフランスの映画を観たことと、パウロコエーリョの本を読んだことが理由だ」とこたえると、なんとドミニクの娘が今度パウロコエーリョの息子と結婚するらしい!!(なんと世界は狭い・・・)そういえばつい最近アサの親友のいとこさんとチャリダーにはとても有名な本の作者さんが結婚するという話を聞いたばかり。なんだか世の中面白い具合に繋がっているものである。
ドミニクの話によるとパウロ・コエーリョは世界的にも有名な作家なのにもかかわらず、とても親しみやすい人物のようだ。現在スイスのジュネーブに住んでいるというパウロはフランスのルルド、ブラジルのコパカバーナにも家を持っているらしい。さすが売れっ子作家。
ドミニクと話をしていると自分が読んでいた本の作家がとても身近に感じられた。ドミニクは現在Camino norteというスペイン側の巡礼ルートの中では難度の高い道を歩いてきたらしい。「もしnorteの道を歩くならスタート地点の近くに我が家があるから遊びにおいで!!」と言ってもらえた。う~む・・・また800km近く歩くのはちょっと・・・でも気になっている道ではあるのでもしかしたら将来再び歩いているかもしれない。
1時間ほど一緒に歩いた後僕らは朝ごはん休憩をとることに。最近朝からよくCAFEでご飯を食べているなぁ。今日はコーヒーとクロワッサン。スペインのクロワッサンは見た目は美味しそうなのだが、食べてみると中がすかすかでいまいちの物が多い・・・ここもそうだった。しかも何故かバナナ味のカラメルでコーティングされていた・・・まぁ歩くためのカロリーとしては申し分ない。
朝食後歩き始めると、フランス人のマーク夫妻に追いつく。今日もたどたどしいフランス語で話していると、どうやら彼らはリオンの彼らの実家から歩き始めているらしい!!!「家に鍵をかけてそのまま出発してきたの。」と言っていた。つまり合計2000km近く。二人とも60歳ぐらいなのにすごい!!さらにびっくりしたのが普段僕とふざけた会話をしているマークは実は村のお偉いさん(村長さん?)なのだそうだ。いやいや、自分の村ほっといていいの???と思ったが大丈夫なようである。
更に歩き始めると、今度は英語圏の国の人が「君らは長い旅行中だってきいたけど・・・」と話しかけてくる。なんでそんなことを知ってるのか聞くと「君らは巡礼者の間でちょっとした有名人なんだ」と言われる。どうやら「へんてこな英語・スペイン語・フランス語・ポルトガル語・韓国語で果敢にみんなと会話する長期旅行中の日本人がフランス側から2ヶ月以上歩いてきており、今度はアフリカも旅行するらしい」という噂話が広がっているらしい。たぶん、日本人自体が相対的にこの巡礼道には少ないため目立つのであろう。しかも2ヶ月以上歩いているうちに知り合いが増え、彼らの口からねずみ講のごとく僕らの噂が広がっているのが理由なのだろう。
同じ道を歩く巡礼者の世界はけっこう狭い。いい噂ならよいが、悪い噂もあっという間にひろがるので要注意である。
スペイン人巡礼者の話では本日はどうやら天気予報によると41度まであがるようである・・・・今年の天気は異常であるらしい・・・そんな暑い中とても歩けないので休憩もそこそこに本日のアルベルケまで行くことに。急いで歩くこと計5時間、午前11時過ぎにアルベルケ到着。なんとか暑くなる前に到着したもののすでに20人ほどがアルベルケのオープンを待っていた。僕らも順番を明確にするためバックパックを順番待ちの印として並べ、CAFE休憩することに。ピエール夫婦らフランス人連合はプライベートの中級アルベルケに泊まるようである。「明日で最後だな!!頑張ろう!!」と励まされる。仲良くしてたみんなとも明日で最後・・・なんだか寂しいな。
13時になりCAFEから戻ると長蛇の列・・・70人ほど並んでいる。チェックインし、シャワー・洗濯を終えてもまだ外には30人ほど並んでいた。炎天下の中1時間近く待つのは大変そうである・・・早く到着して良かった。
食堂でコーヒーを飲んでいると、この巡礼中で初めて日本人の若者に会う。彼はバルセロナの大学に交換留学としてきているらしい。いいな。若い時からスペインを楽しむことが出来て。その後、本日も同じ宿のクリスティーナと明日の予定を話し合う。もし明日中にサンティアゴデコンポステーラのミサに参加したければ朝5時までには出発しなければならないようだ・・・どんどん早くなる出発時間・・・・まぁあと一日だ。クリスティーナと世間話をしてすごし、15時よりシエスタに突入。
16時半に目が覚め、一人で教会へ行く。外の気温はグングンと上がっているようで、日陰の風でもドライヤーの熱風のよう。どうやら現在40度らしい・・・。教会は特に目新しい所のない古びたものだが、これが今回の巡礼の最後から2番目の教会だと思うと何となく感じるものがある。しかも外と比べると涼しいのが良い。うん、実に良い。
アルベルケに帰りアサとともに晩ご飯を食べに行く。今日は食欲よりも酒欲。ワインをのんびり飲みたいという僕の希望で冷房付きでゆったりワインが飲めそうな素敵なレストランをチョイス。ここで本日の巡礼者セットを注文する。
僕は一品目にパスタボロネーゼ、アサは生ハムメロン。味の方は・・・・遠くから威勢のいい電子レンジ音がチーンと聞こえた時点で諦める・・・パスタは腰が無くフヤフヤ・・・生ハムメロンは肝心のメロンに甘みが足り無いため生ハムの味に喰われてしまっている・・・残念。しかし涼しい中でワインが飲めるのは素晴らしい。特に今日のような外気が暑い日には。今までフランス側の太陽を称して「ヤクザな太陽」と呼んでいたが本日の親分級の極悪太陽に出会うと今までの太陽がただの「チンピラ太陽」に感じてしまう。
本日のメニューはお互いにこの地方の名物料理と言われるものを注文。しかし・・・・なんのことはない・・・どちらも豚の角切りで一方はチリ・塩・ニンニクで味付けしたもの。もう一方は塩、ニンニク、味の素で味付けをしたもの。まぁ居酒屋で出てきそうなちゃっちい味付けです。しかし、酒のつまみには丁度良いので、久々にTVをみながら(アメリカ映画と思われる潜水アドベンチャー物)平和な時間を過ごす。日本では外食といっても1時間以内で食べ終わってしまうのだが、こちらは毎回コース料理のため、デザート、コーヒーまで含めると2時間弱の優雅な晩ご飯。ゆとりは大切だなぁとかんじます。でも日本で結婚して子供まで出来たらその余裕はなかなかとれないのだろう。
20時過ぎにアルベルケに戻りアサはそのまま就寝。
一人で日記を書きながらまったりと過ごす。残り一日。
夜中に久々にいびきの大合唱。しかし、最近2人とも達観してきたのか、イライラすることなく「体を横にして目をつぶっているだけで寝ないよりはマシである・・・」と同じような心境で眠れぬ夜を過ごす。
hoso

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