7月22日
7時半に起床し本日マラケシュ方面に出発するSYUJI君EBI君YUMIちゃんを見送る。
そして8時から渓谷トレッキングに行く事に。道に迷いやすいのでガイドを付けて行ったほうがよいと言われたが、自分らのペースでのんびり歩きたい気分だったので2人だけで行く事に。
川を越え、小さな村を抜けたあとはひたすら薄茶色の岩場を登っていく。急な坂ではないのでゆっくりと上っていけるのだが、目印と言うものがほとんどなく「道に迷う」と言われた意味がわかった。それでも人の足跡や落ちているペットボトル蓋などの人間の気配を辿りながら歩いていくこと1時間半で山頂らしき場所へ到着。なかなかの景色。やっぱり自然は良いなぁと話しながら別のルートから下り始めると前方に岩場の中腹に5箇所の洞窟を発見「なんだなんだ???」と気になり近づいていくと全身土まみれで焼きすぎたトーストのようになってしまっている6歳ぐらいと思われる少年2名と遭遇する。彼らは僕らを目に認めると一目散に洞窟の方へと走っていく。その後姿を眺めていると、焼きトースト達はテントの中から「ザ・ジプシー」と言ういでたちのおじいちゃんを連れてくる。とりあえずジブシージイチャン(略してジプジィ)に「サラーム!!」と挨拶するとジプジィは「テ・テ」と洞窟近くにあるお世辞にもきれいとはいえないテント場(3Mほどの布で日陰を作っている場所)を指差しお茶に誘ってくれた。
ちょうど喉も渇いていたのでジプジィについていくことに。ジプジィは僕らをテントに招き入れると、器用に火を起こし近くに生えているハーブでお茶を入れてくれた。
この場所を観察すると現在住んでいるのはジプジィと2人のチビたちだけのようである。「親はどうしたのか?」など聞きたかったのだか、何となくチビもいる手前聞いて良いかわからなかったので(もともとベルベル語でそんな質問できないのだが・・・)お茶を飲みながら30分ほど微笑みあって過ごす。会話が出来無くても居心地悪さを感じさせない雰囲気をジプジィはもっていた。チビたちはどこからか拾ってきたペットボトルの蓋とさば缶の「缶」、太い針金で器用に車を作り遊んでいた。そしてジプジィとプロレスごっこ。すでに70歳を越えていそうなジプジィはときどき「フラッ・・・」としながらも笑顔で遊んであげていた。素敵な光景を見て「いいな」と感じるのと共に「数年後には体力的にジプジィはチビたちとあそんであげられなくなるのだろうな・・・」と将来のことが心配になってしまった。
お茶を飲み終えた後、夜眠る時に使っているという洞窟を案内してくれた。その際にお茶代として10DH(100円)渡す。
別れるときも僕らが見えなくなるまで手を振り続けてくれたジプジィ。素敵なおじいちゃんでした。
その後帰り道は、心配されたとおりに道に迷い、途中、断崖絶壁の本気で命がけになってしまいそうなルートまでやってきてしまいかなり焦ったり、途中水が尽きてフラフラになりながらもなんとか宿に到着。なかなかスリルとアドベンチャー溢れる良いトレッキングであった。
宿の奥さんから「夕方まで部屋を使って良いですよ」と天使のような言葉をかけていただいたのでまた寝て夕方17時に出発。
バスターミナルでは早めに到着しすぎたため時間を持て余す・・・とりあえずお薦めされたアボガドヨーグルトドリンクを飲む。なかなか想像できない組み合わせなのだが濃厚で美味い。次に砂漠のサプリメントと言われるナツメヤシを大量購入し喰う。どうやらナツメヤシは鉄分などを豊富に含んでいるようだ。
晩ご飯はバス停の前の屋台風レストランでモロッコスープとミントティ。2つで8DRH(80円)スープを飲みながらぼんやししていると目前でバスに出発され乗り遅れてしまった乗客が僕らに対しては「ムッシュ、マダ~ム」ととっても紳士的だった係員さんと激しい口論をはじめる。普段陽気なモロッコ人もやはり怒ったら怖いようである。
21時半にバス発車。クーラー無いが夜行なので丁度良い。
今回のバスの乗客はなかなか騒がしい。子どもは泣き叫び、吐きまくる・・・。大人は口論し合い、笑い合う。風邪を引いてぼんやりしているからか、この騒然とした状況にも怒りを感じない。なんだかインシュアラー(イスラム教の言葉ですべては神の導きだという意味)という諦めとも達観ともとれる言葉に親しみを感じてきた。自分の思い通りに行く人生なんてなかなか無いのだろう。それならば良いことも悪い事も含め自分の人生だと受け入れて楽しむ事がよいのかな。
気管がやられたのか咳が止まらない。のど飴を舐め30分咳が止まり、再びぶり返すといった様子。とりあえずシャウエンでは安静にしよう。
バスは暗闇のなか走り続ける。ロバは暗闇の中も草を食み続ける。僕らはどこまで行くのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿