6月24日(金)巡礼63日目 24km
6時15分起床。朝ごはん後7時25分出発。山と川に囲まれた町のためか朝から霧が一面にかかっている。霧の中の鉄橋を渡り本日の巡礼スタート。序盤から木々に囲まれた国道沿いの緩やかな上り坂が上り続けているのだが、霧がカーテンとなり日光を防いでくれているので心地よく歩くことが出来る。
しかし・・・今日はどうやらここ数日無かったガッチリ大通り沿いの道のようだ・・・でも残り4日なのでそれもあまり気にならない。巡礼路の両端が木々に囲まれているのも大きいのかもしれない。2人の足にもさすがに疲労が溜まってきているようで、一晩寝ても痛みがひいていないことが増えてきた・・・しかしまだその他の巡礼者と比べればだいぶマシなのであろう。他の人は痛みとの戦いで顔も憂鬱そうだが、僕らは2人で笑顔で会話しながら歩く余裕がある。途中日本人のおじさんと出会った。ラスト100kmというものを実施しているそうだ。どうやら「自転車なら200km以上、徒歩や馬でなら100km以上」で巡礼証明書がもらえるらしい。
今日は少し長い距離になるかも・・・・と覚悟していたのでCAFE休憩もとらずズンズン進む。16kmほど歩いたところでスペイン人のクリスティーナを発見。僕らが彼女を発見した際には大声で歌いながら歩くスペイン高校生の団体巡礼者に囲まれていたからかクリスティーナの表情は完全にフリーズ・・・・彼らを見ないものとして(まるでそこに誰もいないかのように)スタスタと・・・しかし僕らを発見するやいなや向日葵のような素敵な笑顔が満開に。
本来の彼女は人を魅了するほどの笑顔の持ち主。アサが「見習わなければ・・・」と常々言っているほど。もともとairbusで働いていた彼女は上司と交際しはじめたことをきっかけに会社を止め、世界のいろいろな国で働いている。すでにスペイン、ハンガリー、中国、フランスで働いた経験があり、巡礼後にはドイツで働こうかと言っていた。彼女はまだ25歳。(すごいなぁ・・・・)しばし彼女とスペイン語(理解できない時は英語)で会話しながら歩く。彼女がヨーロッパの国の人の大まかな性格の違いを伝えてくれた。ドイツ人はとにかく勤勉、フランス人は全ての物事を即決したがる、スペイン人はのんびりおおらかだそうだ。
彼女は日本文化に興味を持っており、そういった人が多く質問するように芸者について「どういう人物なのか?」と質問してきた。・・・・このあたりの説明は僕らのスペイン語力ではできない(英語でも・・・)
芸者について今度説明ように考えておかねば。
とりあえず、「芸子が舞妓になる(逆???)。」と「下済み生活が厳しく、年齢に関係なく先に入門したものが姉さんとなる。」ぐらいが僕らの現在の僕らの知識のすべて。これは映画「まいこは~~~ん」を観て手に入れた情報である。あとは踊り、演奏、歌などの芸だけではなく日常の礼儀作法に重きを置いている。この辺りは、「武士道」「茶道」「華道」などにも精通しているのではないだろうか。このあたりの「わび」、「さび」の精神が日本人の国民性として受け継がれているのではないのかと踏んでいる。もちろんだいぶ薄れてはいるのだが。よく言えば「相手の立場に立って考えることが出来る」悪く言えば「自分が主役という感覚が薄い」という国民性(もちろんそれだけではないし、そうでない人もたくさんいる)を僕は好きである。「世界中が日本人だけであったらとても平和な世の中になるのでは。」とすら思ってしまうことがある。しかし、残念ながら現在の世の中はそうではないので日本国内であればともかく、外交をする際にはワールドスタンダードの観点で考え、主張していかないといけないのだろう。そうでないとただの食い物にされてしまう可能性もあるので注意が必要であろう。残念ながら「人が良ければ許される」というほど世界は甘くも優しくも無いのである。
話が逸れたが、日本文化についてもっと知らなければいけないなと国外に出るといつも痛感する。今度こそ帰ったら勉強してみよう。
その後、寄付制アルベルケでホスピタレイロをしているアメリカ人の青年からキリスト教についての説明を聞く。
彼も早口の英語で専門用語が多かったので6割程度しか理解できなかったが、
☆神が人々を創造した理由を考えろ・・・・もともと絶対的な力を持つ神は人間などを創造しなくても良かったのにそれでも我々を作られた。それには理由があるはずなので我々はそれを考えなければならない。
☆キリストが我々のために命を捧げたように我々も他の人のために捧げなさい。
☆聖書は素晴らしい・・・・聖書は非常に大事だ。素晴らしいことが山のように書いてある、時に理解できないことがあってもそれは当然である。宇宙の全てを知ることが出来ないように神をすべて知ることは出来ない。
彼の説明の要点はだいたいこんな感じであったが、神が人類を創造した理由に対する彼なりの解釈は「自分のために生きても自分が消えたら何も無くなる。他の人に施すこと初めて他の場所に存在が残るのだ。キリストが我々の中に残っているように。」といっていた。だから寄付制アルベルケで今働いているらしい。
この点については「神が人類を創造した」という説明に自分の感覚がついていかないから何ともいえないけど、彼の「自分のためではなく~」という意見はそれなりに歳を重ねた今(まだまだひよこ級だが)何となく共感できるようになってきた。でも他の人に施すのも大事だが、それだったらまずは自分の子供を作り大切に育てることが大事なんだろうな思う。
聖書はやはり一度読んでみたい。だけど時間がかかりそうだから「漫画世界の歴史」みたいなダイジェスト版で読めると助かる。
彼は5ヶ月間のミッションでスペインに来て、残り1ヶ月間を自分の好きなように過ごしている最中らしい。
キリスト教について語る時彼の目は無垢な子供のようにキラキラと輝いていた。彼みたいな人がいるだけでもキリストさんが存在する(した?)意味はあるのだろう。
その後、犬が花畑で牛の番をしている姿にほんわかしながら歩く。
13時に本日宿泊する予定の前の町に到着。ここから残り6kmほどなのだが、インフォメーションセンターで、次の宿の情報を聞いてみると、すでにフルらしい・・・・聞いておいてよかった。急遽この町で宿泊することに。話は逸れるがインフォメーションセンターで働いていた清楚な感じのお姉ちゃん(20歳ぐらい)は愛らしかった!!アサと二人であんな娘が育ったら良いなと妄想する。そしてああいう子に育てるためには日常から僕らも笑顔を絶やさないようにしなければならないと、笑顔の練習をしてみる。しかし・・・慣れない笑顔は実に気持ち悪い・・・・そして「機嫌が悪い時にこんな顔を見たら余計イライラするであろう」と・・・笑顔の練習終了。
アルベルケ到着。本日のアルベルケのシャワーはなんとドア無し・・・しかも男女兼用。なのでアサがスペイン人のおばちゃんとシャワーを浴びている間、僕とおばちゃんの旦那さんがガードマン。その後クリスティーナとランチを食べに行く。夜にぺリグリーノメニュー(巡礼者メニュー)を食べる予定だったが、「スペインでは昼の方が豪華なのよ!!」といわれたので昼からがっついてみることに。
食べてみると本当に豪華!!夜食べる巡礼者メニューよりもボリューム満点、量が半端無い。あれこれ話しながらランチする。隣の席とおじいちゃんと12歳の孫巡礼者とも話す。小僧は子供なのにもかかわらずしっかりしている。
クリスティーナから「歩いている間にあなたたちが他の巡礼者たちからよく声をかけられている様子を見るわ!!あなたたちはとても親しみやすいのね。」とほめられる。7歳以上も若い女の子に褒められ浮かれ喜ぶ2人。
本日のメニューはアサはポテトサラダと、魚のフライ。僕はパスタスープと牛肉の煮込み。どちらも美味しかった。おなかはパンパンはちきれそうである。その後16時より昼寝。19時におきてもおなか減らず。外でヨーグルトドリンクを飲んでのんびり。結局何も食べずクリスティーナと寝る前もおしゃべり。
22時就寝
hoso
0 件のコメント:
コメントを投稿