6月3日(金) 巡礼42日目 27km
今日は5時15分に目が覚める。なんせ大型ドミトリーで早い人は4時半ごろから出発の準備をゴソゴソと始めていたので・・・アサはまだスヤスヤ眠っていたので、今日の昼食用に昨日ダニエルからもらった卵をゆで卵にしておく。そしてコーヒーをいれパンの準備をしてアサを起こす。うむ、良い旦那っぷりである。たまには得点を稼いでおこう。
朝ごはん後6時10分に出発。かなり早いと思ったのだがすでに15人以上は出発していた。
朝から緩やかな上り坂を歩いていると編笠をかぶって歩いている60過ぎに見えるおじさんを発見(何と歌舞いた格好で・・・)話かけると日本人のおじさんのようだ。以前四国のお遍路さんを歩いていて、今回はサンティアゴの道に挑戦することにしたようである。
自分達は60歳を越えても外国でガシガシと歩き回る体力があるのだろうか・・・凄いなぁと感心する。自分達の親は絶対歌舞いた格好で外国を歩いたりなどしないであろう。
本日も緩やかな上り下りはあるものの概ね平坦な道。ポピーの花が咲き乱れているため景色は良い。アサは昨日31km歩いた疲れが残っているようで体が重そうだ。
途中高級住宅地に見えるのに全く人っ気が無くゴーストタウンと化している町を通り過ぎる。
11時前に21km歩き終わり、~という町に到着。ここの教会はニワトリが生き返ったという逸話が残っているようで教会内でニワトリが飼われていた。
教会を参拝後、アサはパン屋でバスク地方名産フロランタンとマフィンを、僕はBARでサンドウィッチを購入し昼ごはん。最近生活水準がグイグイ上昇中です。
このままのんびりしたいとワガママを言う体にビシバシと鞭を打ち、5km先の次の町を目指す。途中フランス側で会った事のあるおばさんと再会する。かなり足が痛そうだが休むことなくここまで歩いていたらしい。他の人が頑張る姿には励まされます。
最後の力を振り絞りGRANON到着。今日は教会内に宿泊できると言うスピリチュアルプレイスで泊まる予定なのですが前回スピリチュアルスポットに拒絶されたほろ苦い経験があるためドキドキしながら到着すると今回はOK。今度こそスピリっちゃいます。果たして何か感じることが出来るだろうか?
シャワー、洗濯の後はスタンプをもらいにBARへ行き、そこでアサはカフェオレ、僕はビール。財布のひも全開の僕ら・・・いったん開いちまったもんはなかなか閉じません。
大いに満足した後は教会の外の芝生で日光浴。他の巡礼者とともにアザラシのように夕方の時間を怠惰に過ごす。
19時からミサに参加する。理解しているかどうかは別としてミサの出席率は巡礼者内でもトップクラスです。(巡礼している人の中でもミサに参加する人はだいたい2割ほどで、その他の人はBARでくつろいでいることが多い)
毎回ミサに参加はしているものの未だにキリスト教の真髄へと近づくことは出来ず・・・このままでは結局キリスト教のことをほぼ分からないまま終わってしまうのでは・・・と、最近危機感に駆られています。多くの人が語ることの要点をかいつまむと「キリストが我々を愛したように、我々も他者を愛せ」とか「キリストは我々の心の中にいる」ということになるのだが、いかんせんキリストさんについて全く知らない。十字架にかけられらことは知っていても「十字架にかけられた理由」や「キリストさんは民衆のために行ったありがたいこと」という根本的なことを全く知らない。だからキリストさんを尊敬する心が全くもてないのだと思う。なので今後キリスト教について少しは調べてみよう。
ミサの後は晩ご飯。食堂に40人ほどの人がひしめき合いギュウギュウ・・・そのなかを宿泊者数人で机を並べたり椅子を運んできたりとあれこれ手伝う。(手伝わない人も半分)僕らは宿のオーナーさんから配達係りに任命されたので近所のパン屋まで食後のデザートをもらいに行く。パン屋のオーブンで今焼きあがったばかりのアップルパイを受け取り、教会内の食堂まで運び任務完了。パン屋で作られた焼きたてホヤホヤのアップルパイとは・・・これだけで十分豪華なディナーである。
そして夜8時晩ご飯がスタート。食事前のオーナーさんの挨拶で「このアルベルケでボランティアとして働きたい人がいればいつでも来て下さい」(この寄付制のアルベルケはすでに何十年にも渡り運営されているらしい。オーナーさんや手伝いの女の子は期間限定で働いているようだ。)ということと「晩ご飯は前日の寄付によって賄われているのでそのあたりを踏まえて寄付をどうぞよろしくお願いします。」との話があった。
そして夕食を食べ始めたのだが今回の席に同席したチェコのおばちゃんが、かなり変わっている・・・一人でワインをがぶ飲みし「ここは天国だ~!!」と叫んだかと思うと、他人の紙ナフキンを何も言わずに使い始めたりと・・・良くない意味で変わった人である。こういう人が来ると宿の人は困るのだろうな・・・自分らもそうならないように気をつけよう。食事は豆とソーセージの煮込みとサラダ、そしてパンというシンプルなものではあったが豆とソーセージの煮込み旨い。
満足の夕食が終わり、あと片付け。しかし7割がたの人は何か手伝うのだが、全く手伝わずにタバコを吸いに行く人達もやはりいる・・・メインで働いていたアサは若干プリプリ。
食後が終わり庭でワインを少し飲んでいるとハンガリー人の女の人がやってきて、アサの背中のマッサージをしてくれた、ああいい人だな。と、思ったのだが、なにやら僕に対しての視線が厳しい・・・そしてアサに対して「あなたが大きな荷物を持たされて歩いている様子を見て哀しくなった・・・」と話かけている・・・・・なんだ、この出だしから僕の悪役が決定してしまった感じは・・・・アサの体が小さいためバックパックが大きく見えるのと、2人分の寝袋を詰め込んではちきれそうになっているバックパックを見て「なんでこの旦那はこんなに奥さんに荷持つを持たせているのだ・・・」と思われることが巡礼中しばしばあるのだが、今回は非難の(私は非常に遺憾ですよ~、という感じの)目で見られていると感じたので、「いや、一応重いものを僕が持って、軽いものは彼女に持ってもらっているんだけど・・・」と弁明すると「あなたが重いものを持っていようが関係ないわ」と火に油・・・アサに対して「あなたは体重の10%までの荷持つしか持たないほうがいいわ」とまるでそれは女性の当然の権利であるかのように言いはじめる・・・もちろん男性なのだから荷物を多く持つのは当然だと思うが、ここまで一方的に悪者にされるのも腹が立つ。面倒くさくなって(これ以上弁明などしないほうがマシのようなので・・・)アサに彼女の相手を任せ僕は宿の食堂でコーヒーを飲みながら宿においてあった聖書を読むことに。
すると先ほどの彼女からの不本意な非難にささくれた心が少しずつ落ち着いてくる。これは聖書の力か、はたまた単にコーヒーを飲んだからなのか?どちらが理由かは分からないがとりあえず穏やかな心になる。
聖書は英語で書かれていたため内容を完全に理解できたわけではないのだけど、共感できる部分と、共感できない部分とがあった。ただ、共感できない部分も単に僕の英語力が不十分で意味を誤解している可能性があるため日本語で聖書が読んでみたいと思った。
22時就寝。
hoso
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