6月4日(土) 巡礼43日目 22km
朝6時半に起床して朝食をとる。今日のパンは生地がしっとりしていてなかなかおいしい。そしてデブ一直線アイテムの蜂蜜がテーブルに・・・バターと蜂蜜を塗って食べるパンの美味しさに巡礼中に気づいてしまった。蜂蜜を買ったら最後だと思っているから買うのは未だにためらっているが宿にあるとつい手をだしてしまう。
今日は疲れもあるし目的地のTOSANTOSまでは22kmと短いから7時半とゆっくり出発。
今日も曇り空で絶好の歩き日和。小麦畑の間に時折赤ではなく薄紫色のポピー畑が広がる。雑草として生えたわけじゃないから一面大きなポピーで綺麗である。だけど個人的には雑草として生えている真っ赤のポピーのほうに惹かれる。サトは地味だというけど私はポピーの花が好き。あのひらひらの花びらと明るい時間しかシャキッとしていれないところがいい。暗くなるとフニャリと下をむいてしまったりするところに生きているなーかわいいなと感じる。
今日も限りなく続く小麦畑の中を歩き続ける。途中から大きな道路沿いになってしまってちょっとつまらなく感じる。道路脇じゃなくていちおうガードレールの横に巡礼道を作ってくれているのだけれども、こういう道はおもしろくない。同じみちばかりで飽きてきた。しかし、「飽きても耐えて続ける事」も巡礼で学ぶひとつの事なんだと言い聞かせる。
歩いている時に寄付制のアルベルケについて考える。
教会付属の寄付制のアルベルケは期間を決めてホスピタリオ(管理人みたいな人)が働いている。ホスピタリオにはアルベルケで利益をださないといけないという義務はない。寄付の金額が少なければ次の日の巡礼者のご飯が貧しくなるだけだ。それに宿を提供することによってキリスト教の布教活動にも一役買う。寄付制の宿に泊まると必ずミサの時間のあとに夕飯となる。夕飯はたいてい夜8時から。巡礼中は小さな町に泊まることがおおいのでそれまで時間も持て余しているし、せっかくだからミサにでようかなという気になる。
そうしてるうちにキリスト教信者になる人もでてくるだろうと思う。
これまでかなりの回数ミサに出席した。日本にいる頃は宗教なんて特別に持つものじゃない「一応、仏教です」で十分だと思っていた。だけど熱心にキリストに向かって祈る人々をみていて、何か絶対的な存在に頼ることで精神が安定する人々にとってはそれでいいんだと思うようになった。ただ、まだ全人類に宗教が必要だとは思えないけど。人には精神が不安定になる時があるけど、それを神に祈ったり神父に話したりすることで解決するとは思わない。自分は自分の心の奥底にある事は自分自身で受け止めるものだと思っている。神に頼ることで変わるとは思わない。人に話すことが大事だとも思わない。人は生きている限り全てが平穏になることはない。と思う。
TOSANTOSのひとつ手前の町、Beloradoの教会にたくさんのこうのとりが大きな巣を作っている。日本であれだけ大騒ぎされているこうのとりだけど今日だけで何羽みただろう・・・・
めちゃくちゃ大きな巣が煙突や家の上などあちこちにあって、つがいで住んでいる。今日一日で30羽はみたと思われる。何がどうなって子供を運んでくる鳥といわれるようになったんだろう。
昼12時半にTOSANTOSに到着。14時からなのでBARでコーヒー飲んで時間を潰す。
またもや床にマットレスが敷いてあって雑魚寝スタイルのアルベルケ。だけど、一部屋9人くらいで狭苦しい感じもなくて居心地がいい部屋。ホスピタリオはドイツ人のおじさんで昔に巡礼中にここの主人にお世話になりその恩返しとして1年のうち3ヶ月だけドイツから手伝いにきているらしい。
今日は夕方から大雨。降ったり止んだりだから洗濯物を干したり取り込んだり・・・
だけど歩いている時にこの雨じゃなくてよかった。
19時からみんなで夕食作り。イタリア人のフィリッポがシェフとして任命されパスタを作る。
今日のメニューはトマトソースパスタとサラダ。そしてデザートに青リンゴ。ひとつのナがテーブルにみんなで座ってわいわい食べる。アットホームで楽しかった。今日もスペインにいてるのにスペイン語を話す人はひとりもいない(笑)フランス人、韓国人、イタリア人、カナダ人、ハンガリー人、ポーランド人。南アフリカ人、ドイツ人そして日本人。なんてインターナショナル。
食後は21時から宿の屋根裏でメディテーション。各国の言葉で聖書を読みあう。別に宗教心が濃い感じではなくて気軽なメディテーション。怪しいメディテーションだと一本の蝋燭の明りの中で行ったりするんだろうけど明々と電気もつき、外もまだ明るいから窓からたっぷり日ざしも入ってくる。メディテーションは気軽なのがいい。重いのは怪しくて嫌だ。
その後、カナダ人のコーエンを誘って3人でBARへ行く。コーエンは3つ前の町の宿で同じになった。日本でNOVAの先生をやっていた経験もあって、めちゃくちゃ面白い人。カナダで座禅センターに通っているらしい。「うちらは日本でお寺でやったことはないけど家ではWiiのゲームで座禅してたよ」って言ったら「日本っぽい!!」って大笑いしてた。22時にはアルベルケが閉まるから20分ほどの短いインポータントビジネスミーティング(コーエン曰く)だったけど楽しかった。
今日の宿はアットホームでみんないい人でほんとに久々にいい宿と思える宿だった。
Asa
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