2011年6月14日火曜日

フランス→スペイン巡礼徒歩旅行47日目


6月8日(水) 巡礼47日目
6時過ぎに起床。すでにダニエル、ピエールらフランス軍団は出発していた。フランス以来、できるだけ朝早くに出発する習慣が続いているようだ。
本日もここ数日と同様に非常に平坦な道のり、しかし両脇を小麦や花に挟まれて歩くことは気持ちいい、特に今日は大通りから離れているのが静かで良い。
途中の町で先に出発していた韓国人やフランス人の人たちが休憩しており、彼らが飲むCAFEにかなりそそられたものの、本日はすこぶる体調が良く、まったく疲れていなかったため歩き続けることに。ここ数日、何故かちょっとしたことでイライラ、カリカリすることが多かった。何でだろう?と思っていたのだが、「栄養不足が原因では?」と頭に浮かび、昨日レストランで久々に肉や野菜を大量摂取すると、本日はとても気分良く歩くことが出来るようになった。やはり栄養は大事。ここ一週間朝と昼はパンとバターのみ・・・夜もワインとおつまみのタパスだけだったのでカロリーが大幅に不足していたらしい・・・楽しく歩くために多少お金がかかろうが今後外食を増やして栄養を取ることとする。多少のお金をけちって楽しくない旅にするよりお金をかけて楽しい旅の方が良い。
歩き始めて4時間弱でサンアントニオに到着。ここは廃墟となった教会をアルベルケに改築した場所。フランスを歩いている時「サンアントニオは神秘的でいい場所よ~」とお薦めされいたので気になってはいたのだが、昨日宿泊した町から14kmほどしかないためこの場所にたどり着くまではスルーしようと思っていた。しかし実際に来てみると・・・(おぉぉぉぉ・・・)想像していたより以上に良い。実に良い。うむ宿泊しよう。特に時間制限があるわけではないので気になる場所は味わっておかねば。
僕らが宿泊を決めた後、昨日の宿が同じで同じく宿泊予定ではなかったイタリア人・カナダ人もこの廃墟の教会に魅了され宿泊決定。
ここのジットは電気も無く、シャワーも水のみ・・・本来であれば不便極まりないと感じるはずなのだが、そこがまた魅力と感じてしまうのだから不思議なものである。
不便ついでにここのアルベルケは近くの町まで3km程の距離がある。そのため僕らの得意技の暇つぶしの買い物も出来無い・・・なので同じように時間が有り余っているイタリア人3人、カナダ人、そしてこのアルベルケを手伝っているオーストラリア人の女の子と紅茶を飲みながら話しをする。今日も英語にスペイン語、さらにはイタリア語と言葉の勉強に非常に良い。キリスト教について小さい頃クリスチャンだったが毎週強制的に参加しなければならないミサに居心地が悪く感じるようになり無宗教になったカナダ人に質問してみると、「聖書にはもちろん良いことがたくさん書いてあるが現実的には宗教のために戦争をしたりと自分の宗教が絶対だ!!というように考える態度が好きではない。」と言っていた。これは僕も同じ意見である。(たぶん多くの日本人も)このような意見が多いのであれば実は無宗教の日本人が時代の先端を走っていたのかもしれない。この世界では最後尾の者が突然最先端になることがあるから面白い。(最後尾がそのまま最後尾であることが可能性としてはもちろん多いのだが・・・)
彼はまた、最近日本で被災した人々映し出されているニュースを見て、被災した人々がしっかり列を守り配給を待っている姿を見て「このような危機的に状態に陥ってもモラルを忘れない日本人の精神を尊敬する」といっていた。僕も日本人の自分の事以上に他人を尊重できる精神は大好きである(時に行き過ぎることもあるが・・・)
同じカナダ人にキリスト教のあらましを聞いてみたが、「キリストと12人の使徒が普及活動を行い、キリストたちの力を恐れた大様がキリストを処刑し、キリストがよみがえり神になった」ということ。・・・・まぁそのぐらいは知っていたので特に目新しい情報は無し。
オーストラリア人のお手伝いさんは、以前巡礼の道を歩いた時にこのアルベルケのオーナーさんと知り合いになり3日だけ手伝っているらしい。スペイン語を完全に習得したいようで(すでにネイティブ並みなのだが)僕らとも英語ではなくスペイン語での会話を希望するぐらい。語学に対する姿勢がすごい。その彼女に「あなたはすでに英語よりスペイン語のほうが上手よ!!」と言われ一瞬喜んでしまったものの何のことは無い、裏を返せば僕の英語の発音が彼女にとっては実に聞き取りにくい、というだけのことである・・・英語の発音は難しい・・・。
昼ごはんはカナダ人のロンが食べるものが無いとのこと(ピーナッツで昼ごはんお終いにするといっていた)なので、僕らのパスタをシェア。時には他の巡礼者から頂いた恩を他の人に渡していかねば。
その後も紅茶を飲みながらだらだら。これがまた実に素敵な時間なのです。
夕方6時から夕食の手伝い、僕は大量のニンニク皮むき当番に抜擢され、言われたとおりせっせと皮を剥いていたのですが、イタリアレディーから「こんな大量のニンニクは食べられないわー」との罵声が・・・しかし宿のオーナーのルイスは全部剥いて使うと譲らない。どうやらイタリアではニンニクは隠し味程度にしか使用しないようである。さらに数種類の野菜をごちゃごちゃ混ぜたりすることもあまりないようだ。さらにさらに聞くと朝ごはんもコーヒーとパン、それにビスコッティだけでお惣菜パンなども絶対食べないとの事(パンにもバターをあまり使わずマーマレイドだけとの事)。そのかわり午前と午後のおやつタイムがあるらしい。インスタントコーヒーを差し出すと飲むのが始めてだったらしい。へ~、と感じることが盛りだくさん。とりあえずお上品だと言うことがよく分かった。エレガントだが、僕のようながさつな人間は住めそうにない。
夕食のパスタは恐れていたほどニンニクの味がきつくなく美味しい。大量しかも品目たっぷりのサラダも上品じゃないが美味しかった。
夕食後にアルベルケの前の道にワインとパンを備えに行く。巡礼者のために毎日置いておくらしい。お地蔵さんのお供えみたいな感じです。その後廃墟となった教会での儀式。昨日の巡礼者が書き残していった願いをみんなで読み、気に入ったものをコンポステーラまで持っていくとの事。そうすることで悩みや願いを多くの人と共有できるということらしい。
紙に書かれた内容は「模範的なキリスト教の回答」、「彼女・子供に捧げるメッセージ」、中には「白紙」のものも(僕はこれが一番好きだった、自分の一番の願いなんて実はよく分からないし、人に伝えたいものでもないですからね)、他にも「本当の自分を知りたい」、「みんなの平和」などなど。アサは一枚もらう。僕はもらわず。
最後に食堂に戻り、奥さんの歌謡ショー、歌を歌うことで巡礼を励ますとの事。だけど実は本人が歌いたいだけとの疑惑もあり。
その後それぞれの国の歌を歌えとの指令が・・・カラオケに行っても(嫌だと言っても連れていかれることが時々ある)なぜそんなにいやだと言う人にまで歌わせたがるのかいつも疑問に思う・・・体型に自身が無い人に全裸になれというようなもの・・・単に辱められてる気分です・・・マッチョな人だけ勝手に脱いで見せ合っていればよいのに・・・
仕方がないので同様チューリップをアサと歌う。
11時就寝。
hoso

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