5月15日(日) 巡礼23日目 18km
今朝は8時に起きるつもりが朝から同室のジバ連の人達がうるさくて結局いつもどおり6時に目が覚める。ベッドでゴロゴロしていたけどパッキングを始めたら更にうるさくなってきたので寝ることを諦める。サトが朝食をブーランジェリーに買いにいってくれた。フランスは日曜の12時以降から店がしまってしまう。月曜もほぼ完全に店が閉まるから今朝、昼、夜と翌日の朝、昼用にと大目にパンを買ってきたつもりが焼きたてのあまりの美味しさに買ってきたパンの半分くらい二人で食べてしまった。またここのパンが皮が薄くてパリッとしていて中がしっとりしていておいしすぎた。
宿泊客がほとんど出発して後はうちらとバイカーの集団だけが残った。バイカー集団はカップル6人でみんな真っ黒のお揃いの服をきて2人乗り。女性人は、ぱっと見た感じたばこ片手に「あたいさぁ~」といいそうな風貌。だけどジバ連みたいに寝ている人がいても騒いだりせず、ちゃんと周りを気遣っていた。人は見た目で判断してはいけない。ニコっと笑いかけてくれる良い人達だった。
8時20分出発。こんな時間に出発するのは久しぶりだ。
出るときにバイカー達に「オルボワー!(さよなら)」と声をかけていく。
バイカー達はタバコ片手に「オルボワー」とジャガーの刺繍が入った真っ黒の服を着て手を振ってくれた。
今日は肌寒い。日陰に入ると上着を着たいくらいだ。こんなに温度が低いのは久しぶり。
スニーカーが乾いていなかったからふたりともサンダルで歩くことにする。乾かす為にリュックにくくりつけた。歩くと靴がゆらゆら揺れる。靴にとっては23日ぶりの休暇日。ゆらゆらしている靴が久々にリラックスしているように見えた。
今日は距離が短いから時間はたっぷりある。今日はお散歩気分で歩くことにする。小麦畑の中、なだらかな道が続き歩きやすい。これから最後までこんな道だったらいいのになーと思う。
歩きながらウインクの練習をする。昔から左目はかろうじてできるが右目ができないのだ。
やっているつもりなのに「できてる?」ときくと「目あいてないよ」といわれる。
なんでウインクかというと、仲良くなったフランス人でさりげなくウインクする人が多いから。そして久々にやってみると更にできなくて、顔の筋肉の老化を感じた。毎日ウインクの練習してたら顔の運動になりそうだなと思って始めてみた。コンポステーラにつく頃には顔の筋肉も少しはつくだろうか。
歩きすすめると顔見知りの人達が木に手を伸ばしてなんか採っている。
さくらんぼだ。5日くらい前から巡礼道沿いにたくさんのさくらんぼがなっている。
真っ赤でツヤツヤとして本当においしそう。時々数粒採って食べている人をみかけるが、
彼らはがっつりと袋に詰めて採っていた。一応、私有地から出ている枝の部分を採っている(笑)おいしそうなので「うちらもちょっと頂戴。」というと15粒くらい採ってくれた。
ほんのり甘くておいしい。さくらんぼを食べながら鼻歌まじりに歩く。
今日は「郷ひろみがもしこの道を歩いたらきっと下調べやフランス語は完璧にしてから歩くだろうね」という話題をしながら歩いた。なんでかというと、あれほど自分に厳しく生きている人ならうちらのように「歩く事」以外のフランス語や観光地調べなどの適当にしてしまっているところを、しっかり完璧にするのではないか。そういう人が第一線を歩き続けられるんだろうという話。最後は「芸能人ってやっぱりすごいね。」でおわった。
そんな話をしている間に今日泊まる予定の町SEVIACの1km手前の町に着いてしまった。
昼の12時。かろうじてパン屋が開いていたので買い足す。
SEVIACの町はGR65(サンジャックの道)から少し外れる。だけどみんなすごく綺麗なところだよと教えてくれた。タイル装飾の見事な昔の建物が発見された町らしくそれを目当てに観光客がくるらしい。GITEを目指して緩やかな坂を上る。周りは小麦畑かブドウ畑。そして畑と道路の境目にいろいろな木を植えてある。中にはさくらんぼがあったから時々頂戴する。坂を1kmほどのぼった所にGITEはあった。
広い庭のある家庭的なGITE。
フランスの田舎のかわいいおばちゃんが迎えてくれる。1時半頃に到着してからお昼ご飯を邪魔する感じになってしまった。1泊ひとり13ユーロ。ふたりでトイレシャワーつきの個室を与えてくれた。広い庭にはゆっくりできるテーブルもあってそこでお茶すると気持ちがいい。キッチンはキャラバンの中にある小さなキッチンだったから少し使いにくかったけど夕飯はインスタントのスープとパンで済ませるつもりだったから何の問題もなかった。本日のメニューはカレースープ。久々のカレーテイストに食欲をおおいに刺激されパンをがっついてしまう・・・芝生の敷かれた花の咲く広い庭で食べる夕飯は豪華じゃなくても美味しい。
かなり時間を持て余してしまったから部屋で休む。こんな時間の過ごし方はもったいないと思いつつ、PCに入っている「ソリティア」と「ピンボール」をふたりで夢中でしてしまう。・・・2時間もしてしまった。
そろそろ宿の夕飯も終わったかなーとサトが宿代を払いにいくと「オーナーが奥さんも呼んでおいでって。何か食べ物くれるらしい。」という。ルンルンでリビングへ行くとさくらんぼのケーキとワインを振舞ってくれた。他の自炊の人達も呼んでもらっていてみんなでテーブルを囲んでデザートタイムをしてくれた。嬉しいサービス。
Lectorで同じ宿だったクリスチャンと夫婦とおばあちゃんの3人組と夫婦とオーナー夫婦と私達の計10人。1時間ほどデザートタイム。話の中で今日の巡礼道から少し逸れた所に古い綺麗なお城があったらしくそこへ行かなかったというと明朝、宿泊客のガブリエルが車で連れて行ってくれるという。明日は距離も少ないし、車なら連れて行ってもらおうということで朝7時半に集合になった。ありがたや。
asa
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