5月14日(土)巡礼22日目 32kmのはずが27kmぐらい
今日は久々のロングウォーキング。次の町まで16kmと近すぎるので、その次のCONDOMという町まで行くことに。しかし、距離は32km・・・行けるのだろうか・・・と不安に思っていると、2日連続で宿が同じだったニコールが「多くの人が通るショートカットコースがあるからそこを通りなさい。」と助言してくれる。どうやらそのコースを通ると5kmほど近くなるそうである。うむむ、これはズルなのでは・・・という考えが頭にちらつくが、見て見ぬフリをする。
昨晩に続きゴッドファーザー邸では見事なブレックファースト。長机でパンやコーヒーが次々とサーブされてきます。しかもBGMにはクラシックの曲が上品に流れている。なんだか一日、大富豪邸の御曹司体験をしてしまった気分でした。
やはりゴッドファーザー邸のご飯は旨い。ジャムまでもが今までのものとは別物。甘さ控えめなのに自然の風味がしっかりと出ているためにしっかりした風味が出ておりました。アサはジャムに大変満足しており今朝も貪り食う。
いい人だけど雰囲気に圧倒されるゴッドファーザー親子にはアサも萎縮して鶴を渡せなかったようです・・・渡した瞬間(ぐしゃっ!!)と笑顔で握りつぶされそうな雰囲気が漂ってます。(実際は凄くいい人達なんですよ)
7時15分出発。今日も曇り空で歩きやすい。でも同じ宿に宿泊していたおっちゃんが「雨が降るかも」と言っていた通り歩き始めて1時間ほどで突然の豪雨・・・しかも全然止みそうに無いので合羽を着て再び歩き始める。いまだにベトナム製の破れて片腕のない☆柄のみすぼらしい合羽を着ているアサからは「私も新しい合羽欲しいのに全然買ってくれへん!!」とネチネチ言われる・・・買わないんじゃなくて見つからないんです!!
合羽を着て雨の中歩き始めてすぐ、珍しくアジア系の女性が。声をかけて見ると韓国の人(ソフィー)だった。ソフィーは3年前にスペイン側だけ歩いたことがあり、その後韓国で働いて仕事は順調だったのだが何故か幸せな気分になれなかったため、仕事をやめて半年両親とともに暮らした後、今回の巡礼に出てきたようである。彼女のお母さんが熱心なカトリックの信者で、一緒に過ごしたときに聖書を読んでいて心の琴線に触れるものがあったようである。彼女の言葉を借りると「神が私を生んでくれ、愛してくれたように、私も他の人を愛し他の人のために生きよう」と。
そして自己犠牲の精神を学ぶためにフランス側の巡礼コースを歩くことにしたらしい。
今では熱心なクリスチャンに目覚めたようでその思いを熱く語ってくれる。話の内容は概ね「神が私を愛してくれたように、他の人を愛したい」というもので、ある程度の範囲では共感できるが、反面う~む・・・というところもある。
共感は、自分も年齢を重ねてきたためか自己犠牲とまではいかないけど、”自分の出来る範囲で人の役に立つことをして、その結果人に喜ばれることが嬉しい”と思うようになってきた。だから一定の範囲では彼女の”人を愛したい”という部分と重なるのだが、僕はまだまだ自己犠牲ではなくあくまで”自分の出来る範囲で”である。しかも”人のため”では無く(多少はあると思うけど)結局は”喜んでもらって自分が嬉しいから”つまりまだまだ自分のためなのだと思う。(だから人のためにして全く喜ばれなかったり感謝されなかったりしたら残念な気持ちになることも)
自己犠牲が完全に出来る人は凄いなと思う。マザーテレサやマハトマ・ガンジーなんかけっこう素敵だなと思う。
なんだか長くなったけど、彼女との大きな相違点は”神が私を産んでくれた””神のために””神に感謝”という発想が僕にはほぼ無い。(トイレもれそうなときにギリギリ間に合ったときとかは何となく感謝してみたりするけど)キリストさんに対する尊敬も今のところあまり無い・・・っていうか知らない。だから今回この道を歩いている中で少なくとも知識として「キリスト教とはなんぞや」という所が知れたらと思います。そのあとどういう評価になるのかはまだわかりませんが・・・・とりあえず中間評価としては、キリストさんがというよりキリスト教の信者さんに良い人が多いなというぐらいです。
さて今日は本降りになったのは出だしだけで後はシトシトピッチャン。だから合羽を着ていれば問題無い。問題なのは地面のぬかるみ・・・・気がつけば靴底に泥がてんこ盛りになっています・・・。途中の村で対面から仮装した人々がサンジャックの道を歩いてくる。話しかけてみると「私達は800年前コンポステーラへ歩いたんだ。その時はこんなに良い道じゃなかったからもっと大変じゃった。」と言ってた。何かのイベントみたいでけっこうな人数の人が昔の巡礼者の格好をして歩いていた。馬に乗っている人もいたしロバや犬まで参加していた。ギャラリーがいた訳でもないし撮影が来ていた訳でもない。ちょっといい一眼レフをもった人がひとり写真を撮っていただけ。何のイベントだったのだろう。フランス語が話せないので深く聞けなかった。
意外と早く2時半過ぎに本日の宿に到着。町に入ってからなお2km近く歩かされたことには閉口したがなかなか良さげで立派なジットです。
GITEについてからお疲れアサが手負いのライオンのように不機嫌で「ガオガオ」と吠えるので、コーヒーを飲んだ後、アサの餌を買いに行きがてら散歩に連れて行く。
自分で選んだマドレーヌが美味しくなかったようでやや不服そうだったが、食欲が満たされやや落ち着いたようである。
今晩はパスタを作る3日ぶりの自炊である。インスタントのアスパラスープにアサが野菜ミックスだと思って買ったら実は野菜のトマト煮込みだった・・・という缶詰をぶち込むとどういう化学反応が起こったのかなかなかコクのあるある素敵なソースが出来上がる。それを食べた後のんびり過ごす。
この宿は古い建物をオーナーが自ら改装リノベーションして宿にしたらしい。昔はワインか何かの蔵だったみたいで天井が高く広々としている。キャパが大きくて40人ほど収容できる。一部屋20人ドミトリーだった。だから団体さんが多かった。新しく綺麗だったしどろどろになった靴も洗えたしすっきりとした気分で眠ることができた。ただ、夜はおじさんが多かったせいもあり、いびきの大合唱が部屋に響いてました。
hoso時々asa
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