5月25日(水) 巡礼33日目 22km
今朝もまたもや同室になったジョンマリーとフランソワとともに5時15分に起床する。
夜10時前に寝て朝6時前に起きる僕らはすっかり老夫婦のよう。朝ごはんを食べた後6時20分にヨタヨタと出発。アサの体調も現状維持なのでとりあえずSt Jean pied de portに向かいます。
出発直後から本日の酷暑を決定付ける快晴の空。昨日の新聞によると最高気温は34度まであがるもよう・・・僕らの脳みそが溶け出さないかが心配になってきました・・・
唯一の救いは本日の道程が非常に平坦なこと。とりえず気温が上がりきる前にできるだけ歩を進めます。
しかしいよいよフランス側最後の町に着いてしまうんだなぁ・・・と2人揃って感慨深いものがあります。終わって欲しいような終わって欲しくないような複雑な気持ちです。
スタート時には1511kmあった距離も気がつけば残り800kmほどになっている。「千里の道も一歩から」と言うとおり小さな一歩を積み重ねていくことで千里だって近づくことが出来るんだと実感する。(残り半分歩ききっても地球全体の26分の1にしかならないのですけどね。)
今日も牛・羊・にわとり・猫などを鑑賞しながら歩いていたのですが、最近多く目に付くのが「チビ馬」です。大きさは生まれたての子馬のようなのですが、れっきとした大人。どうやらこのサイズまでしか成長しないようです・・・なんかブサかわいい奴らです。そうそう、彼らは実は日本でも昔大活躍していたそうです。その時代とは戦国時代。武田信玄軍の驚異的な強さの騎馬隊に代表されるように、戦車などの近代兵器が現れるまで馬は武士達の心強いパートナーでした。
その強い馬のイメージは「暴れん坊将軍が乗っているようなカッコイイ馬!!」と思っていたのですが、さにあらず・・・実はこのチビ馬だったのだと旅の友人、喜助氏に聞いて衝撃を受けました。だって戦国時代の「勇猛なイメージの武士」が「本当はチビ馬に乗った身長150cm以下のおっさん」だったんですよ!!(昔の平均身長はそれぐらい)今遠巻きに見たら小学生の喧嘩に見えるでしょう。まぁ巡礼に関係ないので馬の話終了。
昼ごはんもほどほどに今日は先を急ぐ。それでも後ろから物凄い勢いで極悪お日さんがおっかけてくる・・・。12時半過ぎ、だいぶ溶ろけて来たころにSt Jean Pied De Portに到着。チェックインは14時からだが荷物だけ置かせてくれたため、病院を探しに行く。しかし、この時間は憎きシエスタの時間。カフェなどを除きほとんど誰も働きません・・・ので最近財布のひもを緩めきっている僕らは贅沢にカフェでビールとイチゴジュースです。
う~むやはり美味い!!フランス側終了祝いです。
その後インフォメーションセンターで病院情報を聞くと「この町には無いので薬局に行きなさい」とのこと・・・フランスの人は病院にあまり行かないのでしょうか?薬局でアサの状態を見せると「薬塗ったら問題ない」とのことなのでとりあえず薬を購入して様子を見ることに。
その後、念願のアサの合羽を購入したり(僕の3倍の値段のもの)明日のための食材を買った後は宿でのんびり。アサに必要なのは休養です。
宿の前を通りかかったジョンマリーとフランソワはこの町で巡礼終了。特に25日ぐらい抜きつ抜かれつしていたジョンマリーとの別れは寂しい。英語が全く分からないジョンマリーは僕らのフランス語を頑張って理解しようと努めてくれ、次第に身振り手振りで冗談を言い合う中に。64歳という歳の離れた友達ができてとっても楽しい日々だった。
今晩は寄付制ジットなので夜ごはんはみんなで食べます。みんなといってもお客は僕らを含めて6人だけ・・・どうやら6名のドタキャンがあったようで少し寂しげな食卓。しかも今日はオーナーさん夫婦は英語が全く話せない・・・唯一1名ドイツ人のおばさんが英語を話すことが出来るため通訳してもらいつつ会話に参加。しかし会話が弾まず・・・・僕らが、というよりオーナーさん夫婦があまり話題展開が得意ではないようですぐに沈黙が・・・僕もつたないフランス語で「今年は暑いみたいですね。明日の天気はどうだと思いますか?」と話題をふっても、「天気は毎日変わるから私にはわからない・・・」の一言で終了・・・いやいやいや、別に本気で明日の天気が気になってるんじゃなく、話題提供してるんですけど。途中からお客さん同士で話し合うようになりそこから話題が若干盛り上がる。僕らが「フランス語全然話せない」といっても「そんなことないトレビア~ンだ」と褒めてくれる。それも物凄く褒めてくれる。ここのジットのもともとのオーナーさんの話題をみんなでフランス語でしているときにふと、オーナーさんが「今の話題分かった?」と聞かれ、「写真の人・・・オーナー・・・この家作った。」と2歳児レベルの答えをアサがすると全員拍手で「ブラボー!!」と讃えてくれる。喜んでよいのかどうなのか・・・まぁそんな感じで話題も途中からボチボチ。ご飯は美味しい。豆のスープに始まり、白身魚を野菜のブイヨンで蒸したもの、炊きすぎてフニャフニャの塩味ごはん、ビネガー&マスタード&オリーブオイルで作ったドレッシングをかけたシャキシャキ野菜、冷蔵庫で適度に冷やしたらこんなに美味しくなるのか!!と再発見したフルーツの缶詰。でした。食後に僕ら以外の巡礼者達が「明日早く出発したいから朝ご飯を1時間早くして欲しい!!」と要求し、若干嫌そうなオーナー夫婦を強気の交渉で説き伏せる一幕も・・・・やはりこちらの社会はガンガン主張していく社会のだと感心する。(良くも悪くも)ここまでは全体的に問題の無い素敵なジットだったのですが、最後の最後お金を募金箱に入れるときに普段は「すきなだけ勝手に入れておいて!!」とオーナーさんたちはどこかへ行くのですが、今日はがっちり監視です。入れにくいこと入れにくいこと・・・
「これは駄目でしょっ!!」てさすがに思いました。多く入れた人と少なく入れた人が丸分かりだし、前の人がたくさん入れたら何となく次の人も多く入れないといけない雰囲気になってしまう・・・何かいやだな・・・と感じました。
夜10時に就寝。
hoso
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