5月24日(火) 巡礼32日目
今朝は同室のジョンマリーとフランソワと一緒に5時30分に起きる。
早く起きたにもかかわらず、宿に泊まっていた12人皆起きていた。やはり年齢層が高いだけあって起床時刻も早い(就寝時間も)。
準備も速く整い6時20分に出発。今日は距離も短いし、早い時間に出発できたので楽勝の日だな。と、思いきやアサに緊急事態発生!!持病・・・というか疲れてくると顔にできるヘルペスがとうとう出現してしまったようです・・・まぁここまで出なかったのが嬉しい誤算であったのだが。
今思えば昨日若干機嫌が悪くイガグリのようになっていたのが体調不良のサインであった模様・・・完全にサインを見落としました・・・人間どうしても自分自身に余裕がなくなると怒りやすくなるもの(僕もそれはよくあるので)。「またイライラして!!」と思うのではなく、「体調不良のサインかも」と感じ取ることができるよう今後は気をつけよう。
もうヘルペスが出てしまったら悪化しないように休息を取るしかないのだが、この町にはスーパーも病院もないため、とりあえず次のオスタバットという町まで向かって病院で見てもらうことに。(今のところまだ大丈夫のようなので)
さて出発したものの今日のルートを良く知らないため(2kmほどショートカットするルートがあるようです)他の人についていくことに。朝早いことに加え、雲が多く涼しいため非常に歩きやすい。しかしアサはいつヘルペスが悪化するかを不安に感じているようである。(次の町まで悪化せずにいて欲しいな)
歩き始めて2時間ほどでショートカットルートと通常ルートの合流地点へ辿りつく。これで道に迷う心配は無さそうである。しかし病院が開いている午前中に次の町に到着したいため、歩くのが早い人達のペースに合わせテクテク歩いていく。本日のコースの前半戦は緩やかな山道。気候も木々の感じも日本の新緑の時期にそっくりなためフランスを歩いている感じがしない。
違っていることといえばドテンと寝転がっている牛達が異常に多いことぐらい。牛達は朝早くから草をハムハムと頂いているようです。それにしても朝露のついた毎日草原で寝ている牛たちが目を覚ますと自分の周りには溢れんばかりの食べ物がある。これはなんて素敵なのだろう!!もし自分だったら・・・と何となく想像してみる・・・・牛にとっての草といったら主食だから僕らにとっては・・・・・米・・かな?・・・・それでは彼らの寝起きの状況とは、炊き立てご飯の上で僕らが目を覚ますような気分なのか???それはあまり嬉しくない・・・寝起きからねちゃねちゃしそう・・・と、「草むらで寝ている牛達はあまり羨ましくない」という結論に至ったところで、気がついたら本日15kmほど歩き終わっていたので。ちと休憩しよう。と橋げたに腰掛けようとするとフランソワが「あと150m歩いたら休憩場所があるよ!!」と親切に教えてくれる。それならばと歩いていくとそこにあったのはCAFE・・・いや・・・お金を出せば休めるのは知っているのですが・・・と若干躊躇する僕ら。しかしここは巡礼者用のCAFEなのでどうやら何も注文せず自分が持っている飲み物や食べ物をここで頂いても良い。ということらしい。しかし・・・・なんかCAFEに来たのに水だけ飲んでいるのは哀しすぎるし、アサの調子も悪いのでたまには贅沢に(全然贅沢でもないのですが・・・)CAFE休憩と決め込むことに。しかし僕らのプチ清水の舞台から飛び降りる決意とは裏腹に、その後やってきた巡礼者はさらっと飲み物を注文していく。そうか・・・僕らが水とフランスパンの質素な休憩をしている間、みんなはこんなに優雅な休憩をしていたのだな。なんだか穢れた大人の社交場に足を踏み入れてしまったように感じてしまったが(貧しさから卑屈になっている気が・・・)、自分の国を歩いているフランス人のみんなにとってはたかだか数百円だからたいした出費でもないのでしょう。どうも僕らは長期旅行の延長として歩いているからか、金銭面ではシビアになりすぎているようです・・・まぁ1年2ヶ月も収入が滞っている身なので・・・
アサはレモナーダを飲み充電完了。しかしここからが本日の難所の峠越え・・・アサも今のところ元気だが悪化するのが心配なので峠越えだけはアサの荷物も持って歩くことに。
一時痛み始めていた僕の足首や背中も落ち着いてきたようで2つバックパックを持っても特に影響はない。
峠を上って下ったらところでアサがここからなら大丈夫というので残り2kmほど平地をのんびり歩いていると、前方にロバをお供に歩いている巡礼者を発見。古代の方式にのっとった馬での巡礼の節約版なのだろうか?以前見かけた馬を連れて歩く巡礼者は馬が賢かったためかとっても優雅に見えたのに、今回は飼い主の巡礼者がぐうたらロバに振り回されて大変そうであった。ぐうたらロバは10m歩くと「おら腹さへっただ・・」と草を食べ始め、前方に上り坂を発見すると「おら上りたくねぇ・・」と歩行拒否(笑)荷物を運ぶために連れてきているはずのロバが一番のお荷物になっていることが見ている僕らには微笑ましい光景なのですが、飼い主にはとても口惜しいのか、「歩け歩け!!頼む歩いてくれ~!!」と腹立ち半分嘆き半分に愚痴りながら歩いていました。前方からやってきたフランス人旅行者はロバを連れた巡礼者をみて「すげ~ロバと歩いてる!!」とパシャパシャ写真を撮り、その後ろから続いてやって来た僕らを見ると「すげ~ジャポネだ!!」とロバと完全にロバと同列の感じで僕らを眺めていました。以前最近の僕らはパンダ並みに大人気だと書いたのですが、どうやらロバ並みだったようです・・・
11時15分に本日の目的地到着。この時間に到着したのは始めてである。宿に到着すると本日の宿泊名は「CHATOSHI(ちゃとし)」に・・・(もう何とでも書いてください・・・)宿に荷物を置き、病院へ!!と、思うまでもなく気づきました「この村には病院なんてものはねぇ・・・」どうやら教会と小さな食品屋件のBAR、そして小さなレストラン。それで打ち止めのようです。まぁのどかで良い村なんですけどね。病院もないので栄養のある食べ物だけでも買おうと思うのだが・・・缶詰とオレンジ、ヨーグルトぐらい・・・。仕方がないので本日は病院を諦め明日行くことに(幸いアサのヘルペスが悪化することはなかったので)
宿に戻りパスタを作り、蝿と戦い(裏が牛小屋なので蝿が多い・・・)昼寝して、蝿と戦い、明日の宿のリコンファームを行い、晩ご飯にも同じ内容のパスタを作り、蝿と戦い、宿のオーナーさんが持ってきてくれた食前酒をみんなと飲み、パスタを食べ就寝。
明日はいよいよフランス側最後の町だ。でもアサの体調を万全にしたいのでまずは病院を見つけたいな。本日アサから「ダイエット中断宣言」が発令されました。まずは体調を整えることが大事。モリモリ食べてください。
hoso
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