2011年5月26日木曜日

フランス→スペイン巡礼徒歩旅行25日目









































 5月17日(火) 巡礼25日目 19km
今朝はのんびりDAY。朝7時に起きて朝食を頂く。いつもどおりお腹いっぱいパンを食べようと思ったら全員で11人いてるのにパンがあんまりない・・・昨日のうちに朝食分のパンを買っておけばよかった。
宿の夫婦とジャックとマリーに挨拶をして8時20分出発。ジャックとマリーにはもう会う機会はないだろうな。ポリーナ夫婦といいジャックとマリーといい、言葉の分からない私達に一生懸命にコミュニケーションをしてくれてありがとう。嬉しかった。
今日は朝から燦々と太陽がでている。暑くなりそうだ。
簡単な道だったからどんど歩く。小麦畑がなくなってブドウ畑になってきた。ブドウはまだまだ大きな実になっていなくて赤ちゃんブドウがいっぱいだ。ブドウになってたらちょっと摘みながら歩けるのにな。このブドウ達はワインになるのかな。
なんとなく歩きながら足のことを考える。歩き始めたころはすぐに痛くなっていた足が最近、歩けないほどには痛くならない。歩き終わった後に痛みはくるけどだいぶ慣れてきたようだ。人間の体って本当に凄いなと思う。使えばちゃんと進化していく。ダレると退化もする。体だけじゃなくて頭も同じ。最近、スペイン語を話していないからまた話せるか少し不安だ。体も頭も鍛えないと。
10km先の町MANCIETに到着。あと9kmだからここでのんびり休憩しているとまず、クリスチャン次にマリーポール、そしてLECTORで別れたニコールがきた。ここ数日のうちらののんびりペースのせいでニコールに追いつかれてしまった。また巡礼友達ができて嬉しい。友達といってもかなり年齢層は高い。50歳から75歳くらいのお友達。だけどみんなうちらよりタフである。うちらは今日NOGAROに泊まるが3人とも予約が取れなかったらしい。最近、宿が前日だとフルで取れない事が多い。うちらも昨日インフォメーションセンターでかなりの宿に電話をしてもらってぎりぎりで取る事ができた。宿争奪戦が起こっている。予定をびっしりと決めている人は出発前からすべての工程の宿を予約している人も多い。少なくとも2日後まで予約している人が多いようだ。この先、スペインに入るまではどんどん宿の件数が減る一方で巡礼者の数は増えるようなので、うちらもどんどん予約していこうと思う。
この町でみんなと別れてまたブドウ畑の中をどんどん歩く。道は簡単で歩きやすいんだけど暑い・・・日差しがきつ過ぎる上に日陰が少ない。どんどん体力が奪われていく。これで上り下りの激しい道だったら相当きついだろうと想像する。12時半木陰をみつけてお昼休憩。お昼といってもいつもどおりパンをちぎってバターとジャムをお腹いっぱいになるまで食べる。パンがおいしいから毎日でも飽きない。
お昼を食べながら「最近、喧嘩が減ったね」という話をする。これも神のお陰だろうか(笑)
いやいや、こんな風にいってはいけないけどでもそんな気もする。神を信じる親切な人に出会っているお陰で毎日良い気分ですごせている。気持ちにギスギスとした感じがない。そのお陰かお互いにゆとりももって接する事ができる。(歩き終わった後はしんどくて二人ともゆとりはない時もあるけど)
だけど悲しい事に稀に冷たい態度をとる人もいる。巡礼しているのはフランス人だけじゃないからいろんな国の人と出会う。世界にはアジア人嫌いの人もいるから仕方ないんだけど・・・そういう時はふたりともなんだか気持ちがギスギスしてくるからペースを速めたり遅めたりしてその人と会わないようにしている。でも、フランスに来て圧倒的に親切な人が多いから楽しく巡礼を続けられているんだと思う。
暑かったけど大して疲れる事なくNOGAROに到着。宿に着くとFIJAC辺りで別れたジョン・マリーが!!!わーーー久しぶり。まさか会えるとは(追いつかれるとは)思ってなかったら本当にびっくりした。64歳のお友達との再会。明日は同じ町まで歩くらしいからまた当分同じペースになりそうである。今日の宿も予約の時に滑り込みで入れたためにサトと私は違う部屋。私は12人のドミトリー。サトは偶然にもジョン・マリーとの二人部屋。いいなぁ。私だけ大部屋。さみしい。
さきほど冷たい態度を取る人が少ないと書いたばかりなの中あれなのですが、今回のドミトリーの中に一人アジア人嫌いのおじさんがさっそくいた()
何かしらにつけ横柄な態度で文句を言ってくるし挨拶をしても返事もしない。昔なら国籍年齢問わず、あまりにも度を越した態度の人に対してはガツガツとぶつかっていたのだが、最近はそういう人達ともできるだけ仲良くなろうと心がけるようになってきた。若干大人になってます。
そのあたりの変化の理由の一つはコミュニケーションが成立しない際、人は「防衛本能として避けよう」としたり、「知らない相手が自分の領域に入ってきた際には攻撃しようとすることがある」ということを知識として学習してきたからである。
例えば、気のいい赤鬼が鬼の言葉で「そこに美味しいパン屋がありましたよ」と親切に教えてくれても恐ろしくて鬼の言葉を理解しようとも近づこうとしないだろうし、志の高い犬が「きび団子をくれたら鬼胎児についていきましょう!!」と言ってくれたところで、桃太郎のように犬の言葉が分かる相手でなければ「飢えた犬がきび団子を狙ってワンワン言ってきやがって!!」と言って棒切れで追っ払われるだけである。コミュニケーションが成立しない場合「避けられる」信頼関係が成立してない相手に近寄りすぎると「攻撃される」ということの学習。
もう一つは旅中に被差別者になる経験を幾度もしたことで逆に「自分自身も実は普段は気がつかないだけで多くの差別や偏見をしている」ということに気がついたからだと思う。言うなれば彼の姿は知らず知らずに差別をしているときの自分の姿でもあるのだと。
よく旅人どうしで「インド人って~、中国人って、イスラエル人は~だよね。」みたいな話になる。やはりインパクトが強く、キャラクター性の濃い国での旅は良い思いも悪い思いもとても多くなる。しかし考えれば当たり前の話だが、同じ国の中でもいろいろな人がいる。また一人の人でも良いところもあれば悪いところもある。そのあたりを全部ひっくるめて「~人は~である」と言うのは他の国の人が日本人を総じて「いい人だけど冗談が言えず仕事ばかりして面白くない」と断定的に言っているのと同じことである。
そのような言われ方はあまり好きではないので、「相対的にいい人で仕事を真面目に行う人が日本人には多いかもしれないがそうでない人もいる。そして冗談が言えないのではなく、ただ単に英語が話せないから冗談が言えない人が多いだけであって、君達が日本語を話せたら面白い冗談を言ってくれるひともたくさんいるはずだよ。」と適切な表現に訂正するようにしている。
「相対的なことを絶対的に捉える」「無知から来る不理解」「自分本位で相手の側にたった考え方が出来ない」この辺りが多くの差別ひいては争いの原因になっている気がする。
自分も気をつけよう。
まぁ努力の結果おじさんとの関係はほんのわずかに改善したものの(挨拶ぐらいはできるように)、最後まで感じが悪いままでした・・・(世の中努力したからと言って自分の思い通りの結果が出るわけではない)まぁそれはよし。
久々のカルフールスーパーをみつけていたので、嬉しくなってシャワーも浴びずさっそく下見をしにいく。やっぱり都会はすべてが安い。カルフールブランドになると更に安い。嬉しくなる。
下見後、町のインフォメーションセンターに行って3日後までの宿の予約をしてもらう。ここのお姉さんもすごく親切で助かりました。目当ての宿はフルだったけど他の宿を見つけてくれたから3日後までは宿の心配なし。これで気楽に歩ける。
教会と町を見ていざカルフールへ!!
ここNOGAROはフォアグラが有名。インフォメーションのお姉さん曰く、カルフールでも売ってるわよというので探してみるとどこでも売ってる缶のフォアグラしかない。「うーーーん。こういうのが食べたいのではない」と思い、フォアグラは却下された。めっちゃ食べたい訳でもないし。いつもどおりパスタソース(今日はタンドリカレー味)を購入してズッキーニを入れて食べる。
寝るまでとくに何もすることがないので宿の外のピクニックゾーンでのんびりと過ごす。
明日は30km歩き・・・・久々の長距離だ。
Asa時々hosoASA

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