5月10日(火)巡礼18日目 24km
今朝は6時に起床。同じ部屋の人はまだ寝ているので抜き足、差し足、忍び足で部屋を出て朝ごはんを食べる。
パンに昨日買ったアプリコットジャムをつけて食べる。かなり旨し。パン好き、ジャム好きのアサにとっては至福の時のようである。
朝食を食べていると巡礼者の「マダムがこれをあげるわ!!」と山盛りのさくらんぼをくれる(1kgほど)お裾分けにしては、いささか量が多過ぎる気もするが、遠慮する精神を忘れきっている僕らは「ありがとう!!」と満面の笑顔で答えて(笑顔はプライスレス!!)ありがたく戴く。
今回の宿のオーナーの初老の夫婦はとってもホスピタリティあふれた素敵な人達だったのでアサがお礼に折り紙で鶴を作ってプレゼントすると想像以上に喜んでくれた。
7時10分に今日は出発。早朝のまだ涼しい中をゆったりと歩くのは気分が良い。今日もまずまず穏やかな道が続いたため足どり軽く進んでいく。途中に出会ったフランス人のおばちゃん集団とアサがフランス語でなにやら話している。せっかく一生懸命話しているので横から口出しせずにアサに任せる。やはり新しい言葉を覚えるためには実際に言葉を使うに限る。アサとおばちゃんもなんだかんだで15分ぐらいなにやら楽しげに話をしていた。
午前11時小腹が減ってきたので少し早めに昼食にする。昼食もパンとアプリコットジャム、バター、チーズ、チョコレート。今朝開封したアプリコットジャムがすでに半分以上無くなっている・・・このペースは凄い!!アサの体が「痩せてなるものか~!!」と反転攻勢に出ているようです。
午後に入り若干アサがペースダウン・・・肉体、精神ともどもお疲れのようで「おにぎり食べたい・・・」と言いながら花畑の中をとぼとぼと歩く。
そんなことを言いながら歩くアサを後ろから見ているとなんだか「裸の大将」の山下清のように見えてくる(行く先々で貼り絵ならぬ折鶴を作って配り歩いているし・・・)
若干痛いらしい肩を冗談でつつくと大人気なく本気で怒る大将・・・・しかし5分後「大将大丈夫?」と聞くと大将顔で「うっす!!うっす!!」と応えてくれるノリの良い大将。
ユニークな人である。(あっ関係ないですけど裸の大将のテーマ曲の歌詞はなかなか良い歌詞ですよね”野に咲く~”って奴です)
しかし、実際はしんどいようなので今後のことを考えアサを温存させ後半3kmほどはアサのバッグも担いで坂を下っていくことに。最近僕の左足首も若干痛んでいるので少々気をつけねば・・・ちなみに 荷物を運んでもらっているアサは重症患者と間違えられ道行くおじさんから痛み止めまで戴いていた・・・申し訳ない。
午後3時過ぎに無事moissacの町に到着。本日の宿は丘の上にあるため最後のひと頑張りがなかなか大変でした。
へとへとになりながらチェックインをしてシャワー洗濯を終わらせる。シャワーで温めて血流が良くなったためか脚の痛みがひどくなったので、収まるまでじっとしていると「疲れたからってそんな顔せんといて!!」と文句を言う大将・・・・さすがにそれは酷いので「こっちも痛い中してるんだからその言い方は無いんじゃないのか」と怒ると、しまった・・・いいすぎた・・・と思ったらしく「今のは言い方が悪かったけど、疲れた顔ばっかりしないでね、謝ったからね!!」と上から目線で謝る大将。でも疲れたときはお互いイライラ・・・自分から謝ることができたアサが今回は大人でした。
5時ごろからMOISSACの有名な教会を見学。その後インフォメーションセンターに明日の町の宿情報を聞きに行ったが、従業員の人の応対がいかにも面倒くさそうで二人ともイライラ・・・・仕事なんだから、もう少し愛想良くして欲しいものです。少なくとも目の前で何度もため息をつくのはやめてほしい。
夜は同じ宿のドイツ人パトリックとおじさんカナダ人のハンスと僕らの4人でパスタを食べる。ハンスは何と今回で巡礼3度目らしい!!一度目は退職後、何かに挑戦したくてスペイン側のみを歩ききり、2度目はフランス側より全行程を歩きったらしい。「何でまた歩こうと思ったの?」と訪ねると友人が末期の癌で、今回はその友人の夢を叶えるために彼の名前で巡礼を行っているらしい。何とも良い話である。「君達はなぜ歩いているのかな?」とハンスが訪ね返してくる。パトリックは「自分探しのために」歩いていると応える。僕らには「津波の被災者のためかね?」と訪ねてきたが、それも理由の一つではあるがそのためだけでもない。もともとブラジル人作者の本でこの道のことに興味を持ち、日本にいるときにアサと一緒に見た映画(この道を歩く人達の映画・・・フィクション)で「機会があったら歩こうか。」という話になり、今回の旅の途中で機会があったので実行することになっただけの話である。(ただ震災があったため、出来る範囲で被災者の人々と残された家族の人の平安を祈ってはいる。しかし効果があるのかどうかはわからない・・・でも祈るくらいしか僕らにはできることがないので・・・)
だから特に今回大きなテーマみたいなものは僕にはあまり無い。「ただ何となく」というのが正直なところである。歩いてみて巡礼は体は痛いし、色々なことについて考えもするが、今のところ「2人で無事最終地点のコンポステーラに着けたらいいな」と思ってるぐらいである。まぁ歩ききった後に結果として何かしら自分が成長していれば良いかな。
食後は宿のオーナーのアンに今後のお勧めの宿などを教えてもらう。(どうやらスピリチュアルスポットというものが多く点在するようだが、スピリチュアルを僕らが感じれるかどうかは疑問である。一度くらい感じれたらいいな)
アンはそこで人生が変わりここで宿を経営してみんなをもてなす事になったようである。はてさて僕らはどうなることやら・・・
11時前に就寝。
hoso
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