2011年5月26日木曜日

フランス→スペイン巡礼徒歩旅行28日目


5月20日(金) 巡礼28日目 27km

今日はまたまた若干の長距離移動日。朝食は6時30分からだと言われていたので6時15分におき30分過ぎに食堂へ行ってみるが誰もいない・・・・ので先に荷物の準備を終わらせたあと、再び食堂へ行くとオーストリア夫婦が朝ごはんを食べていた。2人は毎日朝早くから出発し、行けるところまでガンガン進んでいるらしい。2人とも還暦を過ぎているのに逞しいことこの上なし。

7時には出発したいと思っていたのだが、出発前に、ガブリエルやニコールに鶴を渡したり写真を撮ったりしていると、いつの間にか他のお客さんとも写真をとることととなってしまい結局出発は7時40分に。この巡礼中コースを歩く日本人が珍しいためか最近の僕らはパンダ並みの人気です。

出発が遅れたのでスタートダッシュで頑張ろうと思ったのですが、出だしからけっこう激しいアップダウン・・・最近平坦な道に体が慣れきってしまったため少し上り坂があるだけで気が滅入ってしまう。今思えば巡礼始めてからの1週間ほどよくこれ以上の坂道をガツガツ歩けていたものだと自分達に感心する。あの頃僕らは若かった。

しかし上りは大変ながら、上り終わった後の景色は毎度のこと達成感と相まって素晴らしい。ここ数日平坦な道のためダイナミックな景色が無かったのだが、今日は素晴らしい。しかし曇り空のため本来見えるはずの雪山が見えないのが残念。

本日も隠されたショートカットコースを教えてもらっていたため3kmほど短めの歩行となる。

午前10時ぐらいに大きめの町に着いたため、今晩の「スープだけ買っておこうか」と大型スーパーに入ったのだが、いつものごとく、まんまと大型スーパーの虜となりお菓子、パン、半額のサンドイッチなども合わせて購入してしまう・・・・

昼間までは素敵な昼ごはん場所を探しつつひたすら歩く。

教会近くに作られていたピクニックゾーンを発見したので今回はそこを利用し先ほど購入した半額サンドウィッチを丁重にいただく。毎日パンにバター、ジャムなので、久しぶりに既製品のサンドウィッチを食べるとおなかが満足感に浸っていることを感じる。

しかし今どこにいるのだろう?貧相な村のため、僕たちの持っている地図にはのっておらず何キロあるいたのかよく分からない。まだまだ距離があるのは確かなのでもうひと頑張りしようと気合を入れて出発するもさっそく急な上り坂・・・今日はなかなかしつこくアップダウンがやってきます。

ひたすら上りきった後ようやく平坦な道がやってきてホットする。平坦な道ばかりだと歩くことに飽きてくるからダイナミックな山道が恋しくなり、急激な山道ばかりだと穏やかな平坦な道が恋しくなる。「隣の庭は青く見える」と言いますが、結局人間無いものねだりをしてしまうものなのでしょう・・・・日本で生活していると旅に出たくなるのに、こうやって旅をしてると無性に日本で仕事がしたくなったりすることがありますしね。(そんなこと言うなら早く帰ってきて仕事をしろ!!と言われそうです・・・)

平坦な道を最近は昔の歌を思い出しながら2人で歩く。しかし歌詞が出てこない・・・「あ~あの曲なんだっけ?」とか「あのCMの曲どんなだっけ?」とか言いながら真剣に考えているうちに次の町についていたりするのでとても良い。

本日宿泊予定の町に2時過ぎに到着。最近僕らがなかなか進まないのは「歩くのが遅いのではなく、歩き終わるのが早い」のだと言う事実が判明。(先へ先へ進んでいく人は5時ぐらいまで平気で歩いています。)まぁ自分らは自分らのペースで良いか。のんびりする時間も必要だし、別に急いでるわけでもないので。

ので、宿泊予定の町についているにもかかわらず、accueil(寄付制の休憩所)でコーヒー休憩を取ることに。ここのaccueilは家の庭を開放しており、魔法瓶に入ったホットコーヒーや冷たい濃縮ジュースの他に家で焼いたパウンドケーキまで置いてくれていました。それを食べながら休憩しているとフランス人のおばちゃんがやってきたのでしばし談笑。おばちゃんたちは昔少し歩いた巡礼の道の続きを何年ぶりかに再開して歩いているそうである。

親切にもフランス側最後の町のジットの予約まで電話でしてくれた。これでフランス側ジットはこの後5日間大丈夫そうである。ありがたいことです。

本日の村UZANのジットは子供達が出て行って使う人がいなくなった家をジットとして再利用しているジットのようで、とても家庭的な感じがする。ジットはすでに28箇所目なのだが毎日雰囲気が違うので飽きない。もっと日本から近ければフランスジット特集みたいなものの雑誌ができそうなものである(たぶん近くのお薦めパン屋特集や、フォアグラ農家ツアーなども記事に載るのだろう、出来ることならその雑誌にはキリスト教のマナーなども載せておいてもらいたい)

シャワー、洗濯というルーティーンワークを終了させた後、村にくりだす。しかし特に何も無いので教会近くの芝生に大の字になり何も無いことを大いに楽しむ。空を見ながら大の字でのんびり。素敵な時間です。夜ご飯はお決まりのパスタ。スイス人の女の子2人とあれこれ話す。彼女らはフランス語、英語、ドイツ語がパーフェクト。なんかヨーロッパでは第2言語は当たり前で、第3言語ぐらいまで話せる人もけっこういるようです。

彼女達が「料金が高い宿や、ガイドブックに載っている宿には私達は絶対泊まらないわ!!」と強い口調で言うのを聞いて、自分が20代前半旅をしていた時のことを思い出した。ガイドブックを持つことを拒み、日本人宿を避け・・・今思えば何でそんな風にしていたのかわからないけど「それが旅である!!」と思い込んでいたのであろう。今は「別にガイドブックはあればあったで便利だし」「せっかく同じ日本人なんだからわざわざ避けずに仲良くなれば良い」と思うようになった。昔の旅もあれはあれで楽しかった(大変でもあったけど・・・)そして今のこだわりの無い旅も楽しい。どんな旅が良いかなんて誰にもわからないので本人が楽しければそれで良いのだと思う。(マンネリしてもダラダラ続ける長期旅行なんかより、楽しかったと感じることが出来た短期旅行の方が十分に素敵である。)

旅に飽きたら日本に帰ろうと思うのだがなかなか飽きないのが困りもの・・・。

11時に就寝。

hoso

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