2011年5月7日土曜日

フランス→スペイン巡礼徒歩旅行6日目


4月28日(木) 巡礼6日目 17km

朝8時15分、宿を出る。日課のパン屋さんへ。フランスのパン屋さんは毎朝忙しそう。

お店の中はいい香りでいっぱい。いつもはサトがさっさとバゲットを買ってしまうけど

今日は私ひとりで買いにきたのでじっくり選ぶ。

気になったパンをみてるとお兄さんが「これにする?」と聞いてきた。

焼きたてらしくまだあたたかい。だけどけっこうでかいし値段がわからない。

一生懸命、フランス語で説明してくれるけどさっぱりわからない。

聞き取れたのはブリオッシュの生地になんか入れて焼き上げたという事とおいしいよ!ということ。なので持っていた2ユーロを見せて「これで買える?」と聞くと「2ユーロ分切ってあげるよ。」といってくれた。焼きたてだから柔らかすぎてうまく切れない。切れ端を味見する。ほわっと口の中に香りが広がる。ブリオッシュほど味が濃くないけど優しい味。これといつもより0.5ユーロほど高い方のバゲットを買う。サトがいるとすぐにいつもと同じ種類のバゲットを買ってしまうけど、今日は冒険して違う種類のバゲットを買う。皮よりふわふわの中身が多いバゲット。皮もしっかり味がしてパリパリ。巡礼中で今のところ一番おいしかったバゲット。

パン屋さんを出ると昨日のマダム達が!

昨日のうちにLe Puyに戻ったのかと思ったらホテルでゆっくり1泊して今から戻るらしい。

フランス語と片言の英語で「コンポステーラまでがんばってね」といいながら余ったコーヒーやらサラミやらをくれた。ありがとう。

今日の目的地は17km先のSt Chely D' Aubrac

歩きはじめはアップが続いた。でも緩やかなアップ。今日は霧がでていて止まると寒い。

景色が少し白んでいる。歩くにはちょうどいい気候だ。

ひたすら高原の中を歩く。映画でみたような風景だ。少し脚が痛むけどゆっくり歩く。

今日はスイレンと紫色の小さいスミレの花がいっぱい咲いている。

9km緩やかなアップが続く。

途中にある村々はウロコ屋根の家が建ち、趣がある。隠れ家的なホテルやEPICERIAという手作りのパテやテリーヌなどの瓶詰めを売る店がポツポツある。次に来るときはこういうホテルにも泊まりたい。

そしてその土地でとれた食材で作られたおいしいご飯を食べたいな。

後半はひたすら下る。

私は下りは苦手だ。1日だけ歩くのなら下りの方がもちろん楽だ。だけど数日、歩き続けていると話が違ってくる。脚の痛みが増すし筋肉がいう事きかなくなってくる。昔、山登りで痛めた左膝や足を捻挫しないように注意して下らないといけないからペースも落ちる。周りの景色も楽しめない。ゆっくり足の裏全体で地面を踏みしめながら下りる。サトはとっくに先に進んでいるが気にせず自分のペースで下りる。足元しかほとんどみていないけど視界に、はっとするような綺麗な青い花や白い花が時々飛び込んできて疲れた気分を癒してくれる。

下り始めるとまた花が変わってきた。ヒヤシンスのような花や小さな白や青い花。いろんな花が増えてきた。そしてまたタンポポもでてきた。花達も自分に合う土地を見つけて生きているんだなどと思いながら、自分に合う土地はどこなんだろうと考える。きっと日本だとは思う。いろんな国をまわっても日本ほど肌にしっくりくる国は未だみつかっていない。世界を周れば周るほど自分は日本人なんだと感じる。

14時、今日の目的地の町が見えてきた。ウロコ屋根の家が連なる小さな町。

町には郵便局とパン屋がひとつづつ、商店が2つ、ホテルが4つ、レストランが4つある程度。このあたりでは少し大きめの町らしく教会にもお金がかかっているのだろう。町の真ん中に建つ教会は変にギラギラしていてわざとらしい感じがする。ギラギラしているけど完成度が低いというか・・・悪くいうと成金みたいな感じ。田舎にある質素な教会の方が私は好きだ。

今日の宿は昨日と同じような感じ。アットホームな感じではなく綺麗な宿泊所だ。お金はインフォメーションセンターで払う。4人部屋のドミトリーでひとり13.5ユーロ。キッチンを自由に使えて大きなテーブルもある。到着すると昨日の宿で同室だったおじいちゃんがすでに到着してくつろいでいた。その後もみた顔が続々とやってくる。知ってる人が多いとなんとなく気が楽だし同じ道程を頑張って歩いてきたんだと思うと親近感も湧く。

今夜はロールキャベツのお惣菜を買ってマカロニを茹でて晩御飯にした。毎日お金をセーブして使っても1日ふたりで最低5千円はかかる。でも1日ふたりで1万5千円まで使えるなら感じのいい宿に泊まって美味しいご飯をお腹いっぱい食べて買い物もできると思う。

実際に巡礼の道は田舎の隠れ家的宿が多いし、こじゃれた感じがある。キャンピングカーもよく走っているし、5日くらいの巡礼している人達は宿や風土料理も楽しみにして歩いているようだ。「巡礼道のお洒落な宿・お店」を隠れ家的なんとかなどといって格好よく掲載した本だせば売れるんじゃないかと思う。

今日はゆっくり休憩です。夜は同室のご夫婦と話をする。旦那さんが学校の先生で奥さんが助産婦さん。息子さんはマダガスカルで養蜂場の指導をしているとかで楽しい話を聞かせてくれた。マダガスカルでは蜂蜜を取るのに蜂を焼き殺してしまうらしく、蜂が生き残れないらしい。だから蜂と共存する方法を教えているとの事。ご夫婦の住まいはフランスのスイス近くらしく山があり自然が綺麗なところらしい。いつでも来ていいよといってくれた。

明日は22km歩く。もっと歩きたいけどその少し先の町にはGITEがなく30km以上歩かないといけなくなるので仕方ない。明日もいい気候になりますように。

asa

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