7月11日
本日の走行距離31km 計1761km
6時半起床
昨日は疲れすぎていてキャンプ場の景色をしっかり楽しむ余裕が無かったが、目覚めてテントを出た瞬間に「あぁ、ここは素敵なキャンプ場だったのだ」と気がついた。人間余裕がなくなると感受性も麻痺するのだろうな。
それにしても昨日の疲れで太腿に力が全く入らない・・・
仕方がないので、コーヒーを沸かし、ゆっくり朝ごはんを食べながら太腿君の機嫌が良くなることを待つことに。
いい景色とおいしいコーヒー。素晴らし時間である。「どうせなら延泊してしまおうか」なんて気もしてしまうが、お金と時間のことを考えると少しでも先に進んでおかねばならない。
9時45分に出発。
まずは昨日下ってきた道のりを4kmほど戻る・・・これだけ足が動かないにも関わらずゆっくりであれば進めるようだ。
・・・ということは昨日の上りはどれほど過酷だったのだろう・・・そういえば、本気の自転車乗りの人たちでも立ち漕ぎで進んでいたな・・・やはり大変な道だったのだろう。今後あんな道に出会わずにドロミテを脱出できたらいいなと切に願う。
しかし・・・ドロミテは綺麗だ、という情報を何となく仕入れて何となく来てみたのだが、こんなに峠が多いとは予定外。
しかもドロミテのどこを観光して良いのかもよくわからず毎日峠越えばかりしている気がする。チャリダーの人はMの人が多いと聞いていたがやはりそうなのだろう。
僕はMでもSでもなく基本的に中間の平凡人であるため、自分がヒーヒー言うことで喜ぶこともなければ、アサがヒーヒー言っているのを見て喜ぶこともない。
つまり、峠Welcomeにはならないのである。
最近、気楽な峠に出会った時は「峠もいいかも」、と若干思いかけたが、訂正。僕はあなた(峠)があまり好きではありません。だから出てくるのは時々にしてください。
しかし、本日も当然のように峠(Pinei峠)・・・・しかも1200mぐらいだと思っていたら1437m・・・本日2000m超えの峠もあるので無駄な体力を使いたくなかったのに、午前中でほぼエネルギーが空になる・・・
それでも休憩するたびの景色は素敵である。それだけが救いである。
13時までひたすら上りPinei峠を越えたあとは一気に下る。
今の上りはなんだったのだろう、と思うあっという間の200mのDown。せちがらい世の中だ。
Ortiseiの町で、今後の予定を考えるべくCafeで緊急家族会議を開く。(カプチーノは泡がきめ細かいうえに苦味もしっかりしており非常に優秀であった)
議題は「まだドロミテを頑張るかい?」
つまり、ここで頑張りを一旦休止してみるのはどうだい?という話。
具体的には
1上ってきた坂道を下界まで一気に下り、ドロミテの峠を避けてオーストリアに向かう
2バスに自転車を乗せ峠を乗り切る。
のパターンになるのだが、意外にもアサが、「今日まで頑張ってみる」との前向きな意見を述べたので、本日はとりあえず峠に向かって進み、上れそうなら峠越え、無理なら野宿かホテル泊。という方針で決定する。
自転車道を見つけたのでその道をに沿って走っていたのだが走り始めたのだが、途中、急に道が無くなる・・・イタリアのいい加減さが憎い。
そしてやはり太腿が全く言う事を聞かない、完全ストライキ中である。確かに自分が太腿でも最近の過酷な労働条件を突きつけられたら「タイでマッサージを受けるまでは働きません!!」と言いかねないだろう。それぐらい最近太腿君に無理をさせすぎている。
ので、方針を「峠越え」から「野宿」に切り替え、自転車道が行き止まりになってしまい、トレッキングコースになった茂みの中でテントを張ろうと荷物を降ろし、川で体を洗い、洗濯をしていると・・・・
先ほどまで人っ子一人歩いていなかったのに、急に人がゾロゾロと現れ始めた・・・これはここで野宿は無理・・・まだ時刻は16時なので仕方なく次の野宿場所を探すことに。
仕方がなく再び走り始めると、やたら体が軽い!!
どうやら今回のロング休憩が吉と出たようだ。
2人とも先ほどと比べ軽くなった体で、ジリジリと進んでいく。
St Christinaの町のインフォメーションでホテルの値段を聞くと、2人で安くて60Eとのこと。
やはり野宿だな。
パンを買い足し、さらに進むと峠の出発点Selvaの町にやって来た。時刻は17時。微妙な時間である。ゆっくりと3時間で上ればその後は一気に下ってキャンプ場に行けるので、その線も考えたが、傾斜が厳しくなってきたので、やはり野宿をしようと、探したところ、なんとか場所を発見。しかし、トレッカーたちがまだウヨウヨしているので無理と判断し、ベンチでパンとドライトマトのオリーブオイル漬けを食べ晩御飯。
その後も暗くなるのを待つのだが、夏のヨーロッパは日が暮れるのが遅い。
結局19時まで1時間半近くベンチで粘ったが、峠の手前のベンチで長時間座っているのも非常に目立つので、意を決してテントを張ることに。
途中、2人組のトレッカーの視線を感じたが、大丈夫なことを祈るのみ。
急いで張ったテントの中で日記を書きつつ早く暗くなってくれることを待つ。
21時ごろ就寝。
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