2011年9月19日月曜日

イブラヒムとお別れ→ピアノコンサート→小さなカオス


9月10日

今日でイブラヒムハウス宿泊も最後なので家の掃除と洗濯を朝からする。


そして午前10時、ホネストと共にイブラヒムの実家に最後の挨拶をしにいくことに。

ピースハウスから実家までは急な坂を徒歩5分ほど下った場所。


到着した実家はなかなかの豪邸。


広々としたリビングを通り抜け、豪華な客間にてイブラヒムと再会。

未だに足が動かないようで車椅子生活を送っていたが、家族に囲まれて過ごす事が出来ているいるぶん表情は明るくなっている。


6歳ぐらいと思われる孫娘はお菓子を持ってきてくれたり、バナナを持ってきてくれたり。

とてもしっかりしている。

イブラヒムおじいちゃんが大好きのようで常にべったり。


この先も体の状態は気になるところだが、こんなに温かい家族に囲まれて生活しているのなら、イブラヒムを幸せに過ごす事が出来るだろうと少し安心した。


宿に戻ると、本日新たに2人の日本人カップル(あきちゃんそうが君)と、キブツで働いているという南アフリカの青年がやってきていた。


昼はあきちゃん、そうがくんと一緒にいろいろ話しながら過ごす。とってもお似合いのカップルで話していてもとっても楽しい。

もう少し一緒に話が出来たらよかったのだが、仕方ない。もしかしたらまたアフリカで再会できるかも。


17時にホネストとともにピースハウスに泊まっているアメリカ人ロンのピアノコンサートを見に行く事に。


コンサートと言っても会場は50人も入ればいっぱいの小さなところ。ちなみに本日は10人ほどの客入り、少し寂しい。


18時半に到着したときは前座の若い男の子が演奏していた。プロとまではいかないが素敵な演奏である。

ピアノの音色を聴き、今更ながら音楽は良いなと2人で思う。今後の旅に音楽的要素をもっと取り入れてもよいなと。


30分ほどピアノを聞いている中で気がついたのだが、ここのお客さんは、宗教もしくはスピリチュアル系のひとが多いようだ。ピアノにあわせ手を空にかざしたり、お祈りを始めたり。


19時になりいよいよ、本日のメイン(?)ロンの演奏が始まる。


宿ではほぼ顔をあわせることも無かったのでムキムキマッチョなおじさんというイメージしかなかったのだが、彼のピアノのレベルはかなり高い。筋肉質の見た目からは想像できない繊細な音色と甘い歌声にいつの間にか音楽に引き込まれてしまっていた。


彼の演奏が始まり30分ほど過ぎたところで、用事があるため途中退席したホネストと入れ違いにロバートが女性同伴でやってきた。


演奏が1時間経過した辺りから会場内の客に少しずつ変化が・・・・


突然、客席に座っていたカーリーヘアーの中年おばさんがすっくと立ち上がり会場の片隅に置いてあった旗を手に取ると、せっせと旗を降り始める。

彼女の姿は小学生の時、横断歩道を渡る際に僕らの安全を守るために朝から旗を片手に働いていた緑のおばさんを思い起こさせた。(ピアノの音色をどこか遠くの適切な場所へと交通整理しているかのように)


緑のおばさんに触発されてか、手拍子という表現では形容が十分ではないほど(手シンバル?)のボリュームで手を叩き始めるおばさんも登場。

彼女はリズム感が致命的に損なわれているのか、はたまた始めからピアノの音なんて全く歯牙にもかけていないのか、ジャズの裏打ちに限りなく近いリズムで手シンバルを打ち鳴らし続ける。


さらには黙々と聖書を読み始める人。


一人の短髪のおばさんは窓際へ歩いていったかと思ったら、なにやら目の前にパートナーがいるかのごとく、両手を前に差し出しステップを刻み始めた。


その姿は一人オクラホマミキサーのよう。


月夜の晩に見たらちょっとは幻想的なのかもしれないが、、緑のおばさん、手シンバルと合わさると喜劇のように見えてしかたない・・・


また別のメガネのおばさんは、片手を空に手をかざし、そこからエネルギーを集めよう(もしくは手から何かを放出しよう)としている。


会場内に現在いる10名のうち。ピアノ弾きと僕らを除く多くの人が怪しげな行動をとっているのだ。


ロバートにいたっては両膝を地面につけ両手をグリコ人形のように45度の角度で広げた姿勢で、カクカクと小刻みに揺れている・・・・そして、その後、燃え尽きたかのように地面に突っ伏す・・・・


いったいこの場所はどうなっているのだ???


そのうち唯一僕らと同じように、おとなしく席についていた女性までが、すっと立ち上がったかと思うと旗を手に取り猛烈に振りはじめる。


彼女の旗の振り方は尋常ではなく、悪霊を除霊しようとして逆にとり憑かれてしまった祈祷師レベル。完全にピアノより目立っている。もうみんなやりたい放題。


ここに小さなカオスが生まれたようです・・・・。


7年ほど前インドのバラナシで新年を迎えた際、ガンジス川のほとりで熱心にお経を唱え続ける人々から感じたような形容しきれない力とこんなところで再会しようとは・・・・


「カオスは大人数ではなくても強烈な個性の化学反応の元で生じうるもの」だと再確認する。


その後、ロバートが僕らの元へやってきて、「ここで願いを祈れば叶うんだ。君らも何かお祈りしたらどうだ」といわれる。


ウンといったら僕らはいったい何をさせられるのだろう・・・

交通整理?オクラホマミキサー?グリコ?カクカク?まだそちらの世界へ行く心の準備が出来ていなかったので、「自分たちで祈る・・・」というと「それはGood Ideaだ!!」と理解してくれた。


よかった・・・


まだカオスの真っ只中に入るには修行が足りないようです。

でもここちよい混沌であった。


実に最後の日にふさわしい。ここエルサレムにはたしかに何かがあるようだ。観光した日々以上に日々の生活の中で、様々なパワーに出会った気がする。


夜はあきちゃん、そうが君、パクと話す、楽しい時間は一瞬。最後にパクが韓国の葉書でメッセージをくれた。うれしい

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