2011年9月7日水曜日

「幸運と不運」→グレ夫→ベツレヘム→分離の壁→日・韓・中・カナダの井戸端会議

9月3日

本日この家を出発するアダムの奥さん、まさくん、めぐちゃんが迎えのタクシーを待っている間アダムが「幸運」と「不運」についての話をしてくれた。


昔ある村に素晴らしい馬を飼っていた男がいた。ある朝、男が目を覚ますと外にいたはずの馬が逃げ出してしまっていた。

周りの住人は「不運だったね・・・」と男に話しかけたが、男は「幸運か不運かは僕にはわからない」と答えた。


翌朝、男が目を覚ますと昨日逃げた馬が野生の馬2頭を連れて戻ってきた。

その様子を見た周りの住人は「幸運だったね」と男に話しかけたが、男は「幸運か不運かは僕にはわからない」と答えた。


その翌日、野生の馬に乗ろうと試みた彼の息子が馬の背中から落ち、足を怪我してしまった。

周りの住人は「不運だったね・・・」と男に話しかけたが、男は「幸運か不運かは僕にはわからない」と答えた。


その次の日、近くの町で戦争が始まり徴兵を呼びかける通知が来たが、足を怪我していた彼の息子は徴兵を免除された。

周りの住人は「幸運だったね」と男に話しかけたが、男は「幸運か不運かは僕にはわからない」と答えた。


この話のまとめ「幸運、不運は一時のものなので、長い目で見れば不運が幸運に転ぶ事もその逆もある。そして物事には両面性がある」


さて、3名が出発した後、本日はベツレヘムというパレスチナ地区へあいこちゃんとともに行く事に。


イブラヒム・ピースハウスの中で観光のペースが遅い3名がようやく重い腰を上げました。


ベツレヘムに行く前にまずは近くの教会を3つ訪れる。


①キリストが捕まった教会。

②キリストの愛人疑惑のあるマグダラのマリアの教会。

③涙の形の教会

捕まったところは、教会のドアのデザインがきれいだった。でも人が多すぎたのがマイナスポイント。


愛人の教会は、ロシア正教に属する場所だからか、雰囲気が異なっていた。花で庭を彩られ、敷地内もきれいに掃除されている。


そしてこの敷地内で飼われているデカくてグレーの猫(グレ夫)が可愛らしかった。やや太りすぎなためか動作が緩慢。木に登っては落ちそうになり、塀に登っては降りられなくなる。虫を狙っても逃げられる・・・なかなか愛しい奴だった。


涙の教会は普通。


そしてバス停からベツレヘムへ。バスで30分ほど。

久々にエルサレムを離れて違う町に来るのも楽しいものだ。


ベツレヘムを訪れた目的

①キリストが生まれたといわれる生誕教会に訪れる。

②エルサレムの町より物価の安いベルツレムで買出しをする。

③パレスチナとユダヤを分ける分離の壁を見る。

④「スターバックス」の偽物「スター&バックス」でお茶をする。


まずは頑張って観光。生誕教会を訪れる。


教会自体のの雰囲気は厳かで良いのだが、観光客が多すぎる・・・(僕らもその一人なので文句は言えないが)、さまざまな国の旅行者が我先にとキリストの生まれた場所を目指す。

宗教というものはどこまでの範囲を神聖なものとするのだろうか???

キリストが述べた言葉は重要なのだろうが、べつに生まれた場所なんてどこでも良いのじゃないのだろうか???

しかし、ここまで来たので覗いてみる。

・・・・ぎゅうぎゅう・・・まぁ別に・・・・ここはキリストを愛している人のみがこれば言い場所のなのだろう。初恋をした中学生が、恋心を持った相手の家すら恋心を持って眺めるように。


次に訪れたのが聖母マリアが、母乳を床にこぼしたら、床一面が真っ白に変わったという奇跡の教会。


・・・・この手のものはあまり信じられないのだが、ちょうど生誕教会の近くだったのでついでに見る。まぁ可愛らしい教会だ。


疲れたところでスター&バックス。見た感じはスターバックス。

マークが人の顔ではなく、コーヒー豆になっているぐらい。味もスターバックスまではいかないがまずまず。

値段は10S(220円)とやや良心的。


しかし哀しいかな軽食メニューは一切無く、代わりにどぎつい色のパフェが存在した。


アサが果敢に挑戦し、あっけなく玉砕・・・・無常なものである。


持ち込みOKだったので隣の店でファラエル(ピタサンドみたいなもの)を4S(88円)で購入し食べる。


休憩後は分離の壁へ。本日は観光を頑張ります。


分離の壁はかつて東西ドイツを分けていたベルリンの壁のようなものなのだろう。


壁の外側には、分断された地域の再結合を願う声が多く描かれたいた。


自分の家族が分断されるというのはどのような気持ちなのであろうか。


帰りにイブラヒムハウス用のパンを購入、あいこちゃんもミルクを購入し持ち帰る。みんなでシェアする事が大切です。


18時半帰宅。今日はよく観光した。


夜の会話

僕、アサ、パク、ゾンイー、アダム、アイコでの会話の要点


僕「日本の出生率問題から中国一人っ子政策の話題に話が及び、中国は今後若者層が減った時にどうするのか?」

ゾ「10年前から今後30年が黄金の30年になると言われており、20年後ぐらいから問題が出てくるだろう。」


僕「アダムはイスラム教に改宗したけど、今後メッカに巡礼する予定はあるの?」

アダム(以下ア)「もちろん、アラーの導きで行く事が出来たらと思っている」

僕「イスラム教に改宗するためにはどのような手続きがあるの?」

ア「メッカのあるサウジアラビアに入国するためにはムスリム証明書が必要。それを手に入れるためにはイスラム教のモスクで行われる簡易試験(コーランを暗証するなど)に合格すれば手に入る」


僕「男の人しかメッカ巡礼は出来ないんだよね?」

ア「宗教上のルールでは女性も行くことが出来るのだが、イスラム国家の文化的な考えでは少し難しいようだ、男女が同じホテルに泊まる場合、厳密なホテルでは結婚証明書が必要なぐらいだしね」


僕「メッカ巡礼はどのようなものなの?」

ア「メッカ巡礼の期間内は絶対に怒ってはならない。怒ってしまったらメッカに来るまでに修行したすべてが無になってしまう。」


あさ(以下あ)「中華街はなぜ世界にあるのか?」

ゾンイー(以下ぞ)外国に移り住む中国人のタイプは2種類ある。一つは裕福な人たちで彼らは、教育、保障に優れた先進国に住みたいと思っている。もう一方は貧しい人たちで、彼らは中国よりお金を稼ぐ機会が多い外国にビザ無しでいく。彼らの多くは中国語以外は言葉が話せないため、協力しあって中華街を作っている。」


あ「中国人旅行者が少ないのはなぜか?」

ゾ「中国人はビザが取りにくい、なぜならどんどん外国に働き盛りの中国人が流出する事を国が危惧しているからだ。だからイスラエルビザも他の国の人々は3ヶ月だが、僕らは2週間しかない。」


僕「現在の中国の問題点は?」

ゾ「田舎の人が収入を多く望む事が出来る都会に働きに出たがり、田舎の仕事をする人がいなくなっている。」

ゾ「日本はどうか?」

僕「現在日本の景気はもちろんよくない、もともと日本は資源も無く、国土も狭く、人々の人材力で成り立っている国だから、人材力が低下した時は日本は先進国のカテゴリーから外れるかもしれない」


パク(以下パ)「韓国もだ、だけど韓、日、中の仕事をする上での人材力は優れていると思う」

ゾ「中東は石油という大きな資源に支えられて成り立っている。もし石油が底を付いたら中東の人々はどうするのか?」

ア「インシュアラー(神の導きのままに)笑」


パ「他に日本の問題は?」

あいこ「自殺が増えている・・・」

パ「韓国もそうだ・・・」

僕「僕達の国より貧しいといわれているラテンの国のメキシコ人が自殺する姿なんて想像できないのにね。そう考えると幸せとは何なのだろうね。」



20時にパクと僕らでイブラヒムのお見舞いへ行く。

現在歩けなくなっており、体調もまだ悪そうだが、僕らがお見舞いに来た事を喜んでくれて笑顔を見せてくれた。

「のんびりしたことがあまり無いから一日が1ヶ月に感じる」「寝ようと思っても様々な問題が思い出されてしまう」など、入院生活は普段忙しく飛び回っているイブラヒムにはつらいようだ。


「もし君たちに少しの時間があるのであれば、宿の手伝いをしてあげて欲しい」と頼まれる。

僕らを含め多くの日本人がお世話になっているので出来る範囲でお返ししよう。


夜はパク、ゾンイーと共通アニメ、漫画の話で盛り上がる。

中国はタイトルが違うから説明するのが大変だったが「ドラゴンボール」「幽幽白書」「スラムダンク」など様々な共通アニメがあった。


韓国にも中国を起源とする漢字があり英語を使わず筆談で意思疎通が出来るのも興味深かった。

韓国語も日本語と同じようで「くそうまい!!」は「シパル(糞)マシソヨ(美味い!!)」のようだ。英語でも「Facking tasty!!」などと言うこともあるし、人々が考える

表現方法は似ているのだな。

やはり国が違っても人間は人間である。

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