2011年8月19日金曜日

断食生活17日目→ダハブでシュノーケリング→遭難


8月17日
9時半起床。
本日も晴天なり。
「せっかくのこの天気を室内でダラダラ過ごすのはもったない!!」と宿でシュノーケリングセットを1人5E(65円)でレンタルし、いざ海へ。
昨日下調べしておいた入水ポイントから慎重に潜っていく。
と、いうのも昨日一人で泳ぎ終わった後、陸に上がろうと思ったら、先の尖った珊瑚だらけで難儀したからである。
今日はシュノーケリング用のマスクとフィンをつけているから海の中は観察しやすいのだが少し窮屈な感じもする。
個人的にはゴーグルだけでジャバジャバ泳ぐのが性に合っているようである。
でも魚や珊瑚は見やすい。一長一短なのであろう。
海に入ってから40分ほど経過。
アサから「そろそろ疲れたので陸にあがろう」との合図が。
たしかに今日は波も強いしボチボチ終了しよう。
・・・・・と、陸を目指したのだが
見渡す限り刃物のような珊瑚が広がっている・・・・
もう少し潮が満ちていてくれれば泳いでいけるのだが50cmほどの深さしかない上、強い引き波が僕らを引きずり倒そうと襲い掛かってくる。
もう少し波が弱ければ気をつけながら慎重に歩いていけるのだろうが今日の荒れ狂った海ではバランスを崩して転び全身血まみれになる危険が・・・・
結論・・・この場所からは上がれない。
しかし、どうしたものか・・・もう少し進めば上陸できそうな場所があるかもしれないのだが、もし無かった場合には命に関わる事になりかねない。
・・・・そこですでに疲れているアサには厳しい選択だが、確実に上がることが出来る入水した地点まで戻る事に。
「迷ったら引き返せ」これは生き残るための鉄則。
しかし・・・僕らの決断をあざ笑うかのように潮の流れが、僕らを妨げる。
もう魚なんて見ている余裕がない。
とりあえず無事にアサを連れ帰らねば。
すでに疲れきっているアサの泳ぐペースが上がらない、しかも油断すると鋭利な珊瑚の中へ引きずられてしまう。
慎重に泳ぐ、こういう時こそ冷静に。
自分の体力は・・・大丈夫なはず。
しかし・・・アサの体力は・・・最悪、どこかのタイミングで珊瑚の中に突っ込んでいくという選択をとらざるを得ないかもしれない。
しかし、大きな波に飲まれて頭を打ったら大事故になりかねない。
ここは何とかしてアサに頑張ってもらうしか・・・水面に顔を出すと入水した地点までは残り400mほど、まだ波は強いがこのペースで行けば大丈夫か・・・
と、安心した時、後方から「サトシー!!」とアサの叫び声が・・・振り返るとマスクを取り外して若干パニックになっているアサの姿が・・・気がついて良かった・・・。
すぐにアサを掴まえ、「マスクをしてゆっくり呼吸をするように」と落ち着かせる。
アサの中にリアルに「死」の恐怖が出てきてしまったようだ。
体力以前に、海の中でパニックになったら取り返しが付かない。
アサの不安を軽減するために腕を掴ませ、とりあえず落ち着いて呼吸をすることに専念させる事に。
残り400mならアサを引っ張りながら泳げるはず。
ゆっくり、冷静に、慎重に。
目の前では鼻の長い魚や黄色い魚が優雅に泳いでいる。
彼らの平和そうな姿に力づけられる。
ゆっくり、ゆっくり。
そして・・・ようやく入水した地点に戻ってこれた。
最後は波によって海から押しだされるように上陸。
二人ともしばし打ち上げられた鯨のように放心状態・・・・・生きてて良かった。
どうやら入水してから1時間半近く海の中で翻弄されていたようだ・・・
時間の感覚も、現実の感覚も頭に上手くなじまない。
海の中の恐怖の世界と、浜の上の平和な世界とのギャップが大きすぎて頭がきちんと整理できずに混乱をきたしているようだ。
2人、顔を見合わせて「死ぬかと思った・・・」と苦笑い。
こんな風に2人で生きている確認ができる。
「生きている」ただ、それだけで十分に幸せなんだ。
宿に帰り休憩する。あっという間だけど濃密な午前中であった。
夕方まで休憩して17時にもう一度一人で泳ぎに行く。
夕方の海は午前中の姿がまるで夢だったかのように平和に凪いでいた。
今晩はFighting kangalooというレストラン。
牛肉タジン20E(260円)は肉がホロリと柔らかくトマトベースの味付けでまずまず美味い。蒸し魚15E(200円)は少し泥臭くいまいち。
夜はコーヒー飲みながら宿でゆっくり。
いやはや・・・大変な目に遭った

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