2011年8月16日火曜日

断食生活12日目→サザエさん→王家の谷→断食苦戦・・・


8月12日
6時起床。
7時に宿を出発し本日は王家の谷とやらを見学しに行く事に。
フェリー乗り場まで歩いていく途中で昨晩政治集会で知り合ったタクシードライバーが僕らのことを待っていた。
彼は昨日「王家の谷へ行くのなら僕のタクシーに乗ってくれ安くしておくからさ」と言ってなかなか良心的な価格を提示してくれていたのだが、「僕らは何時に起きて観光に出発するか約束できないから他の人を見つけてくれ」と断っていたのだがオフシーズンは仕事が少ないので可能性があるところに全力投球せざるをえないのであろう。
それにしても朝5時半から今まで来るか来ないかもわからない相手を待つなんて・・・このストーカー張りの粘着力は凄い。
「せっかく待っていてくれたのに他の人の車に乗るのは可愛そうだ」と日本人の優しさを発揮して彼のタクシーで行く事に。
もちろんこちらにも恩恵のある料金でだけど。
インフォメーションでタクシー半日レンタルの相場は80E(僕らの宿では100Eだったところ、彼は60Eで言ってくれるというので、先に「チップなし、お土産屋なし条約」をしっかり結んで出発。
王家の谷などの遺跡があるのは町の反対サイドなのでそこまではフェリーで移動。
いよいよフェリーに乗り込もうと思ったときに気がついた「財布を忘れた・・・」サザエさん並みの初歩的なミスを犯してしまった・・・・サザエさんとの違いは誰一人笑ってくれなかった事だ。
チクチクつき刺さる視線と愚痴に耐えながら3人でせっせと宿まで戻る。
・・・・・・・3人!?!?!?
何故お前まで一緒についてくる!!
「また戻ってくるからここで待っててくれたら良いよ」と伝えても、餌に食いついたピラニア、いや新しい主人候補を見つけた捨て犬のように必死でついてくるのである・・・彼の仕事も大変なんだろうな・・・・。
財布を取り、フェリー乗り場へ戻り、今度こそフェリーに乗ることが出来た。
このフェリーはちょっとしたナイル川クルーズである。往復2E(26円)で優雅なひと時です。
そして捨て犬ガイド君の運転で遺跡観光スタート!!
まずはハトシェプト女王葬祭殿へ。
しかし・・・・暑い・・・なんじゃこりゃ・・・アスワンよりマシだと聞いていたのにアスワンよりひどい、日ざしがマッチです。(火をつける方じゃなくギンギラギンの方ね)
この暑さにはさすがに焦りが・・・なんせ本日半日はこの灼熱の中で過ごさねばならない。
・・・だったらメインの遺跡以外の雑魚キャラはさっさと見終わってしまいたい・・・・。
しかし、そう考えたのがアサにばっちりばれてしまったようで、「そんな全然面白くないって顔せ~へんとって(怒)」と灼熱に追い討ちをかけるべく熱く鋭く怒られる。
ハトシェプト女王葬祭殿の後は本日のメインの王家の谷へ。
ここは「王家の谷」より「王家の墓」もしくは「サードライフにおいての集合住宅」と名づけたほうが良かったのでは?と思うほどの大規模な墓地。昔の王様や貴族の墓がゴロゴロと。
ここでは3箇所見ることができるというので1世3世6世の墓を見る。思った以上に装飾の保存状態が良かった。これは後世に何度か塗り返されたのかな???
写真NGなので伝えられませんが良かったです。
その後、メムノンの巨像を見て終了。
ここで日本人の親子に出会った。昔に世界旅行をしていたお父さんが娘さんとその友達を連れてエジプト旅行にきているらしい。
小さい時から世界を見ることが出来るなんて良い経験なんだろうな。
多少カルチャーショックに出会うこともあるだろうが、「価値観というものはひとつのものさしで測れないものだ」と知り、多面的な考え方が出来るようになるのかな。
王家の谷はけっこう面白かったのだが、西部劇のロケができてしまいそうなほど僕の唇はカラッカラ。さらに普段は汗かきの僕が一滴のあせも流さないほど全身干上がりきりました・・・・こりゃミイラもできるわ。
フェリー乗り場までタクシーで送ってもらうと案の定タクシー代に上乗せしてチップを請求してくる・・・。
想定の範囲内だったので2E渡す。
最近事前にチップで請求される事も想定して値切るようにしている。
というのも同じ値段をもらうにしてもどのタイミングでもらうかで受けての感情が異なるようなので。心理学方面からのアプローチです。
その後はマクド休憩。まだ断食時間中なのでアサのみサンデーをほうばっている。
恨めしく嫉ましい光景だったが僕もクーラーのある場所に入れたお陰でだいぶ回復した。
その後、灼熱の中を歩いて宿に戻ったのが12時・・・・まだ6時間半もある・・・本日は断食生活において3度目ぐらいの試練の時です・・・。
大変だができるかできないかのスレスレを経験しないと断食に挑戦している意味もないので「ラマダンの大変さを知るには必要な期間である」と、前向きさの盾で折れそうな心をガードする。
それでもきつい。
宿で昼寝をしようと思っても喉が乾きすぎて寝れない。しかたなく、映画を見ると、ビールを飲んでる姿が映し出され悶絶・・・。
18時半のアザーンをひたすら待つ。あぁ生大飲みたい。いや、水でも良い。
「金閣寺を燃やす」ことに取り付かれてしまったお坊さんのように、僕の心は「水を飲みたい」とのの誘惑に完全に絡めとられてしまった・・・
しかし「金閣寺を燃やす」という響きの中に文学的美しさがあるのに対して「水を飲みたい」という響きの中には一片の優美さも見えずただのおっさんのワガママに聞えてしまう・・・「禁を破る誘惑」という点では一致しているのになぜこうも違うのだろうか・・・・
放心状態の中やり過ごすように待つこと数時間「オニャヤ~・・・!!」と待ちかねていたアザーンの音が。
きっとラマダンが終わった頃にはアザーンが聞えただけでパブロフの犬のように涎を垂らしまくっているのだろう。
冷蔵庫の中からキンキンに冷えた水を取り出し「エイヤッ!!」と一気に飲み干すと同時に毛穴の中で順番待ちをしていた汗たちが我先にと噴出してきた。人間の体は面白いものだ。
夜はエジプト料理屋へ。エジプト料理はスパイスが強いため味がどれも似通ってしまう事がネックではあるが、それぞれにけっこう美味しい。2週間に1度ぐらい食べたい味である。
夜はのんびり過ごす。

0 件のコメント:

コメントを投稿