6月18日(土)巡礼57日目 33km
6時10分起床。
朝ごはんを食べ7時30分に出発。山から吹き降ろされてくる風が予想以上に冷たく、アサは慌てて上着を羽織る。本日は巡礼最大の峠越え。久々の峠越えは序盤から息切れするほどの道が続くもののやはり山は良い。平地をダラダラ歩くよりも気分が良いからかグングンすすむ。
やや肌寒いのも代謝が異常に良い僕にはちょうど良い。アドレナリンが分泌されるのに任せ歩き続けること2時間で頂上に到着。この巡礼で最大の1500mなのだが、昨日の時点で800mぐらいまで上がっていたからか、息切れといってもたいしたことはない。以前チベットにある仏教、ジャイナ教、ボン教等の最高聖地のカイラス山を巡礼した時5600mまで上らされ丘に打ち上げられた鯨のようにパクパクしていた時と比べれば全く問題ない。
でも高度はそれほどなくてもやはり山の稜線を歩く時は気持ちがいいのでルンルン気分で山道を歩く。高山植物の控えめな背丈も好きである。山の頂上付近には立派な十字架が建っている。ここに石を供えると良いということなので大きな石を供えておく。さらに頂上付近を歩くこと15分。山頂にアルベルケを発見。ここは5名のみ宿泊できる場所のようだ。しかしシャワーはもとより飲み水すらないらしい。でも個人的には嫌いではないタイプのアルベルケだ。来る前から存在を知っていたらきっと泊まっていたんだろうな・・・残念。薪ストーブで冷たい空気を温めているため、壁一面が煤っぽくなっている感じがチベットに少し似ているから好きなのかもしれない。おじさんたちもいい雰囲気の人達だった。
頂上まで辿りついたらあとは下るのみ。しかし僕らは下りが苦手である・・・上りはガシガシ歩いてもあまり問題ないが、下りは慎重に行かないと膝を痛めてしまう・・・ゆっくり慎重に下っているとレオンで一緒に夕食を食べたクリスティーナと出会う。しばらくクリスティーナと彼女の友達と話をしながら山を下るものの、ネイティブの上に早口の彼女達のスペイン語は内容を理解するのに全力投入しないといけない・・・山を下りながら頭をフル回転させる余裕はないので申し訳ないが先に進ませてもらう。出発して4時間で本来今日は休養がてら宿泊する予定だった町に着く。しかし、気分体調ともに良いので今日はいけるところまで歩くことに。
「歩く距離を決めるのではなく、からだが歩きたいだけの距離を歩きなさい。」と巡礼中に出会った人に聞いたのでたまには頑張ることに。
後半戦も景色が良いので気持ちよく歩くことが出来た。久々にフランス側の巡礼道を歩いているような気分である。歩いている巡礼者の中には「神になにやら祈りながら歩く人」「下世話な話をしながら歩く人」「ロマンチックなムードで歩く恋人達」などいろいろいる。
山を下るにつれどんどん暑くなる気候と30kmを越えた後の疲れからか足が重くなってきたものの16時になんとか町に到着する。いや~疲れた。しかし、巡礼最大の峠越えの日に巡礼最長の移動距離33.4km歩けてしまったということはいかに今までサボっていたかがわかってしまう・・・・
アルベルケにて久々にダニエルとピエールに再会する。二人とも60歳を越えているのに僕らと全く同じペースでフランス側から歩いている。すごいなぁ・・・
今回の宿は収容人数190人のマンモス宿。ドネーション制度のためかそれでも満員。
シャワー洗濯の後、カナダ人のリノが飛行機会社に電話をしたいが言葉が分からない・・・というので手伝ってあげていたが、スカイプで電話した時にはすでに遅し・・・閉店時間でした・・・なかなか人の役にたち切れない2人です・・・その後町に買い物に行く。本日は大きな町なのでBARにくりだそうと思ったのだが、その前にある程度栄養を取っておこうとスペイン風オムレツとチーズを買い宿に戻る。
スペイン風オムレツを温めていると、「よかったらこのご飯とマメの煮込みを食べてくれないか?」と初対面にもかかわらず年配の巡礼者夫婦が声をかけてくれた。もしかしたら知らず知らずのうちに物欲しそうな顔をしていたのだろうか???人の好意は余すことなく頂く僕らは今回もありがたく頂く。ご飯と卵と豆というグアテマラ風バリューセットで夜ご飯を済ますとすでにお腹いっぱいでBARに行く気分ではなくなってしまう・・・そのため予定を変更し古城を見学に行く。途中教会で結婚式を挙げたばかりの幸せそうな新婚さんを見て幸せさを分けてもらった後(やはり欧米人の人はドレスを優雅に着こなすなぁ)スーパーでワインを購入しアルベルケに戻り2人で飲む。最近アサがワインにはまっている。僕はお酒全般大好きだが(甘いお酒は苦手)アサは今までそんなに酒好きではなかったはずなのに最近はまってきているようだ・・・遅咲きデビューは怖い・・・・
気持ちよく飲み10時半就寝。
Hoso
0 件のコメント:
コメントを投稿