癖の無い羊肉→無報酬でないボランティア→ガム売り少年に対する大人の計算

９月２８日

９時半起床

朝から一人で、水、ポテトチップス、バナナ、パン等の買出しをして帰る。

宿に戻った後、近くのローカルレストランに一人でブランチを食べに行く。

今日はインジェラと羊肉のスープ。

エチオピアの羊肉は癖があまりないため、どちらかといえば羊は苦手な僕でも食べやすい。

昼過ぎにマザーハウスへ向かう。

宿を出るとタクシーの客引きの兄ちゃんが「毎日どこに行くんだい？」と聞いてきたので「マザーテレサハウス」と答えると「ボランティアか、それは凄く良いことだな」と言ってきた。

彼の言葉は好意的でもちろん嬉しい事なのだが、ボランティアというものは僕にとっては本質的な意味での無報酬活動ではない。

もちろん給料は出ないからそういう意味では無報酬だが、僕という利己的である人間がしているのだから無報酬なはずがないのである。

では、今回なぜ働いているのか？利益は何か？と考えてみると

・リハビリテーションという今までに身につけた技術をわすれないため。

・子供の笑顔と成長を間近で見ることが出来る。

・何らかの形で人の役に立っているということを実感したい。

・旅行にアクセントをつける。

などが僕の利益にあたるのだろう。

そういえば、今回の旅に出る前、大阪の駅でボランティアについての調査を行っている学生から「ボランティアとは何ですか？」という抽象的な質問をされ、何となく「お互い様かな・・・」と答えたのだが、あながち間違っていなかったのではないかと思う。

多くの人は結局のところ無報酬で働く事ということはできないと考える。

それでも無報酬といわれるボランティアに多くの人が従事するのは、やりがい、名誉、など金銭的ではない報酬が隠されているからであろう。（人の役に立つ事で自分に生きている価値があることを見出そうとしているのかもしれない。）

世の中で名の知れた人や、大金持ちがボランティア活動に積極的になるのは金銭的な報酬よりも、人々の喜んだ顔のほうが価値があるものだと気がついたからなのかな？なんて思ったりもする。

云々書いたが、つまりボランティアというものをすることで僕には利益があるし、彼らにとっても少なからず利益がある（と、思いたい）。そういうイーブンな関係は良いなと思う。

今日は昨日の祭りの休憩日なのか、リハビリは休みのようだ。

これは予定外・・・昨日と今日の２日間が空くと今週は３日だけになってしまう・・・大丈夫かな・・・

とりあえず、赤子は毎日いるので赤子の世話をしにいく。

本日もパンジーがぐずっていたが、他の赤子は落ち着いている。

２日前熱がありそうだったえびすも少し落ち着いているようだ。

本日も窓際の台の上に４人ずつ赤子を乗せ、外を見せたり、おもちゃで遊んだりする。

皆すこぶるご機嫌。

パンジーも今日は抱っこ以外に口に手をあて「アワワワワ・・」とするのを目の前で見せると、本人も「アー！！」と声を出し真似をしようとする。

彼女の口を手でトントンとたたき「アワワワワ・・・」という音を出させると、気に入ったようで何度も繰り返す。

ようやく、抱っこ以外のやりとりが芽生えてきたようだ。パンジーの相手をしつつも他の子供達は動き回るのでなかなか目を離せない。

おいどん子を抱っこしてパンジーの近くに連れて行くと、パンジーはおいどん子にも興味を持ったようで手で顔を触ったりする。観察してみると、パンジーは、どんぐりや姫など動き回るやんちゃな赤子は苦手な反面、おいどん子、えびすなど、おとなしめの赤子には興味があるようだ。

おとなし連合で今後関わらせても良いかもしれない。大人が中途半端にに関わるより、赤子は赤子どおしで遊びながら育ってもらいたい。

本日は祝日のためか職員さんが２名おり、余裕があったため少し早めに帰る。

帰りがけ、ガム売りの少年が「How are you?」とやってきた、ガムを購入しようかなと、思ったのだが、顔をあわせたら毎回買ってくれるよりも、「次に買う」という約束をして、後日買ったほうが価値が出るのではないのかと考え直し、「次に会ったとき買うね」と約束すると、嬉しそうな顔で「本当？約束だよ！！」と走り去っていった。

宿に帰った後、旅人のAKIRA君と一緒に食事に行き、気がつけば３時間経過。年代も近く話が合うので時間が過ぎるのもあっという間であった。

洗濯して寝る。